過疎地越前浜や角田浜集落は芸術村に変身

kanazu362009-04-27

新潟市西蒲区の角田山の麓にある越前浜や角田浜集落は
過疎化が進む。
近年過疎化で空き家となった民家を活用して多くの美術家や
工芸家などが創作活動を展開する。
越前浜や角田浜集落で活躍する芸術家が4月17日から浜メグル「浜の春展2009」を
開催しており20日観てきた。
今回は3回目の開催で27グループの人たちが、12会場に作品を展示している。
・優斉文庫(越前浜)
 優斉文庫の会場には、斉藤優介・茅原登紀子さんらの工芸・写真・イラストなどが
 展示されている。
 斉藤さんは「17日の地方紙新潟日報に掲載されている写真がこの場所です」と話しながら
 展示作品を紹介してくれた。
 会場に「新潟県民エフエム放送」のスタッフが放送取材に訪れていた。
・ギャラリー月吠(げっぽ)(越前浜)
 1階は、版画家故池田満寿夫さんの「無名時代:若き日の銅版画作品」約30点が飾られ、
 二階にはギャラリー月吠で創作活動を行う真島良範(64)さんの絵画の作品が展示されて
 いる。
 真島さんは「10年前に越前浜の空き家を借り創作活動を始めた。5年くらい前から多くの
 芸術家が移り住むようになって芸術の村と呼ばれるようになってきた」と懐かしそうに
 語った。
・村木陶芸スタジオ(角田浜)
 角田浜集落から少し離れた妙高寺を過ぎさらに山手に進むと村木陶芸スタジオがある。
 建物の裏手は樹木が削りとられたように山肌がむき出しになっている。
 ガス窯と薪窯がある。
 先日、薪窯を開けたばかりなのでと空の窯の中を見せてくれた。
 展示室にはカップ・茶碗・鉢・花器・皿などの作品が並ぶ。
・ガラスのメルヘン美術館(角田浜)
 角田浜のカーブドッチの敷地内の松林の中に「ガラスのメルヘン美術館」がある。
 館内に入ると、ガラス工芸家松田尚子や県内外の様々な作家の作品が並ぶ。
 目の前に愛らしいガラスの人形たちの奏でる(舞う)おとぎの世界が広がる。
 愛らしいガラスの人形たちに魅せられ子どもや大人たちを夢の国へといざなう。
・番外:神社仏閣めぐり
 月曜日の20日はほとんどの会場が休み。
 時間があり越前浜と角田浜集落の神社仏閣などを訪ねた。
 ・鳥之子神社(越前浜)
  拝殿のさい銭箱の上に5羽の鶏が祀られている。
  資料によれば「越前浜の神明社は“鳥之子神社”と呼ばれ、角田山の北、越前浜地区の
  南端に鎮座する。
  越前浜の集落は越前国から移住した人(姉川の合戦で敗れた朝倉義景の残党ともいう)
  によって開かれたと伝えられている。
  移住のさい、荒天のため船が難破したが、岸から聞こえる鶏の声のおかげでこの浜辺に
  たどり着くことができ、以来、この地区では鶏をことのほか大切にしてきたという。
  鶏肉や卵を口にしない習慣も続いている」と。
 ・西遊寺(越前浜)
  山門脇の看板に「川尻山西光寺」と書かれている。
  境内に入ると親鸞聖人の銅像が建つ。
  資料によれば、山号はかつての朝倉義景ゆかりの寺、川尻山・西光寺と同じ
  「川尻山」とし寺の名前を「西遊寺」とした。
  西遊寺開基は、朝倉義景の実子愛王丸で以来19代続く名刹
 ・妙光寺(角田浜)
  角田山山麓にある日蓮宗の寺。
  資料によれば、文永8年(1271)に佐渡配流の日蓮聖人が「岸・岩・波の三題目」 
  を遺された霊地として、孫弟子にあたる日印上人により正和2年(1313)に創建された。
  境内は広く、本堂・祖師堂・客殿・山門・三重塔・鐘楼・池等がある。
  山門は文化11年(1814)建立で「角田山」と掲額されている。
 ・七面大明神教化の岩穴(角田浜)
  妙光寺を過ぎ村木陶芸スタジオを過ぎさらに山手に進むと岩穴がある。
  岩穴は「七面大明神教化の岩穴」と呼ばれる。
  資料によれば、「妙光寺付近に大きな岩穴があり、そこに七頭一尾の悪蛇が住み土民を
  悩ましていたが、日蓮聖人はこの悪蛇を教化に伏し、悪行を改めさせ、法華経の業者を
  守護するとの誓いをたてさせ、以後悪蛇は身延七面山に鎮座して、末法の鎮守として
  崇敬される七面大明神となった」と伝えられる。
月曜日はほとんどの会場が休みだったことで越前浜と角田浜集落の神社仏閣などを訪ねる
ことができた。
過疎地の角田浜や越前浜集落、今後どんな芸術村に変身してゆくのだろうか。

過疎地の芸術村を歩く (イラストを模写)