休耕田と耕作放棄地を生かす取り組み

kanazu362008-07-30

今日7月30日新聞の一面に“WTO交渉決裂・
国内農家打撃は当面回避“と大見出しが。
休耕田と耕作放棄地が大きな社会問題になっている。
米王国新潟県の2007年度水稲作付け面積は、
約12万ヘクタール。
田園都市といわれる新潟市
新潟市政令指定都市の中では、食料自給率が63%と圧倒的に高く、日本全体の
食料自給率の39%を大幅に上回る
平地が多く、耕地面積は3万4200ヘクタールと北海道の別海町に次いで全国2位。
水田面積は2万9700ヘクタールで2位の秋田県大仙市を1万ヘクタール以上も
上回る断トツの首位。 
新潟県の特産コシヒカリは、全国の水田の3分の1以上で作付けされている人気品種。
農林水産省が7月3日発表した2008年産主食用水稲の作付け見込みによると、
新潟県など17県で生産調整(減反)の目標が達成できず、全体の達成率は約7割に
とどまっている。
米どころ新潟県の過剰作付け面積は3906ヘクタールで4番目に多かった。
過剰作付け面積の多かった県は、1位が福島県の1万2536ヘクタール、2位が
千葉県の1万170ヘクタール、3位が茨城県の5785ヘクタール。
30都道府県が目標面積を超過して減反した。
減反超過分と未達成分を差し引きすると計2万9364ヘクタールが減反目標を
上回って過剰作付けされる。
・休耕田とは、
 休耕田は、1970年からとられた政策といわれている。
 元々過剰供給を防止するためお米を作る水田の面積を減らすという経済政策がとられた
 ことから「減反」と言われた。
 いきなり休耕田にしたのではなく、米作から他の作物への転換を求め、転換奨励金が
 給付されていたが思うような収益が上がらずやむなく休耕田に。
耕作放棄地とは
 人手不足などを理由に、農地であるにもかかわらず耕作されておらず、今後もその見込み
 のない土地。
 日照不足や規模が小さいなど、土地の条件が悪い山間部を中心に拡大傾向にある。
 農林業センサスによると2005年(平成17)2月1日現在の総農家数は5063戸で
 2000年(平成12)の前回調査(5525)に比べ462戸(8.4%)の減少。
 総耕地面積は497760アールで前回調査(534711)に比べ36951アール
 (6.9%)の減少。
 耕地放棄地面積は47111アールで前回調査(42059)に比べ5052アール
 (12.%)の増加。
 2000年世界農林業センサスによると、全国の経営耕作面積は、388万4041
 ヘクタール・耕作放棄地面積は、21万20ヘクタール・全耕作面積に占める耕作放棄地の
 割合は5.1%。
 新潟県の経営耕作面積は、15万7187ヘクタール・耕作放棄地面積は、
 5981ヘクタール・全耕作面積に占める耕作放棄地の割合は3.7%。
 耕作放棄地率の全国順位は、1位が長崎・2位が山梨・3位が長野・・・45位が富山・
 46位が秋田・47位が北海道となっており新潟は41位である。
休耕地を湿地に再生する取り組みと休耕田や耕作放棄地を利用してエゴマを栽培し
エゴマ油を生産販売する会社が新聞に紹介されており7月18日2カ所を訪ねた。
・休耕地を湿地に再生する取り組み
 新潟大学が、新潟県内の5カ所で休耕田に水を張って湿地に再生していると新聞で知り
 新潟市丸潟新田の「再生湿地」を見てきた。
 再生湿地は丸潟新田交差点付近にあった。
 休耕田の土地約3000平方メートルの提供している農家の人は、ここは20年以上も
 休耕田だったと。
 「丸潟新田再生湿地」と書かれた看板が2本立っている。
 再生湿地には、水深約20センチの水が張られ木道もある。
 ヨシが茂り、カエルは泳ぎ、トンボが舞う。
 水辺にサギや青サギが羽を休めている。
 子どものころの懐かしい光景が目の前に。
 今後の予定が看板に書かれている。
 ・休耕田と排水路の段差をなくす ・水鳥、トンボ、カエル、水生昆虫の調査
 ・ハザ木の植栽 ・木道の設置
 農家の人は、水草ミズアオイが芽を出し、フナやドジョウやコイが泳ぎ、トンボやカエル
 が住み水鳥も戻り昔の田圃に甦ったと。
・休耕田や耕作放棄地を活用してエゴマ油の生産と販売    
 定年後NPO法人を立ち上げ休耕田の活用に取り組んできた、にいがたエゴマの会
 事務局長高澤幸雄氏は、2000年ころ聖籠町の休耕田を活用し、エゴマ・アマランチス・
 ヤーコン・ソバ・豆などの農産物を試験的に栽培した。
 最後はエゴマに到達した。  
 その後旧笹神村貝喰でエゴマを本格的に栽培を始めた。
 2005年エゴマの会を設立しエゴマの搾油機を購入、2007年旧笹神村沢口に
 エゴマ搾油所のパームカルチャーを設立した。
 2008年6月20日にエゴマ搾油の営業許可が下り本格的なエゴマ油の生産と販売を
 スタートした。
 会社で搾油機と近くの休耕田で栽培しているエゴマ畑を見せてもらった。
 エゴマはシソ科の1年草で、葉や種が食用になり搾るとエゴマ油が取れる。
農業県新潟で、休耕田を湿地に再生する取り組みをするグループがあり、休耕田と
耕作放棄地を活用する会社がある。
休耕田や耕作放棄地が昔のような姿に甦えり、緑豊かな田園風景が再び見られる時代が
来るのか。

休耕田の湿地見学 (イラストを模写)