食品の無駄と賞味期限切れ食品
お正月まであと2日。
「おせちを用意して“年神様”を迎えましょう」と
連日スーパーのチラシが新聞に。
先日サークル仲間の忘年会があった。
食べきれずに残った料理がテーブルのあちこちに。
すべてがゴミとして廃棄される。
年の瀬を迎えた今年最後の流行語が「家こもり」とか。
急速な景気悪化が家計を直撃する。
家計の出費を抑えるため年末年始は外出を控え「家こもり」の人が多いという。
巷では食品の無駄と賞味期限切れの食品問題が話題に。
・食品の無駄
2007年の農林水産省の調べによると、外食産業や食品製造業など日本の食品業界で
捨てられる食べ残しや売れ残りの量は年間1135トン。
また、農林水産省の試算によると、家庭から出る食品廃棄物のうち、年間200万から
400万トンが食べられるのに捨てられていると。
2007年の食育白書によると、日本人一人1日当たりの供給カロリーは2564カロリー
だが、実際の摂取量は1846キロカロリー。
4分の1以上の約700キロカロリー分の食べ物が捨てられている計算になると。
・賞味期限切れ食品をリサイクルに
今年ほど食品の賞味期限が問題になった年はない。
賞味期限とは、おいしく食べられる期間のこと。
(劣化が比較的遅い食料品を包装状態のまま所定の環境に置いた状態で、製造者が
安全性や味・風味等のすべての品質が維持されると保証する期限を示す日時)。
食品の消費期限とは、製造者が定めた、ある保存方法で概ね5日間経つと品質劣化する
長期保存できない食品の食用可能期限。
スーパーなどの食品売り場をのぞくと、ほとんぞの食品に賞味期限や消費期限が記載さ
れている。
賞味期限が近づくと値段が日ごとに2割・3割・半額と値引きされる。
賞味期限が過ぎると商品は店頭から姿を消し廃棄処分される。
・売れ残った弁当や惣菜を家畜の飼料などに
コンビニ最大手のセブン−イレブンは、再生利用事業を手がけるアグリガイアシステムと
共同で、2007年9月から東京23区内の約1000店舗で売れ残った弁当や総菜などの
期限切れ商品を家畜用飼料としても再生利用する操業を始めた。
毎日東京23区内の約1000店舗から計約15トンが集まり、半分の7から8トンが
飼料に、残りは肥料や消臭材になり、容器も再利用される。
アグリガイア谷古宇浩之(47)社長は、「捨てる食料を減らせれば、それに越したことは
ない」と。
・賞味期限切れのご飯を燃料に
福岡農業高校専攻科2年の境夏輝(20)さんは、古くなって食べられなくなった
おにぎりから、酒造技術を生かしイモから造る焼酎の酵母を使い濃度8.5%のエチル
アルコールを作ることに成功した。
境さんはこの発酵法を自分の名前をとって「夏輝バイオアルコール発酵法」と名付けた。
賞味期限切れのご飯が廃棄されず、バイオエネルギー原料として日の目を見る日が。
・もったいない運動
2004年にノーベル平和賞を受賞した、ケニアの環境副大臣ワンガリ・マータイさんが、
「資源を効率的に利用しましょう」と「もつたいない」を世界に呼びかける。
今では世界各国でもったいない運動が展開されている。
国内で年間に500から900トンの食品ロスがあり、日本の食品資源の5から10%程度が
無駄になっている。
石川県立大学の高月紘教授は、「食品ロスを減らすには意識改革も重要だ。食品の安定
供給が心配される中、残さない・余らせないためにはどうすればいいかを家庭でも真剣に
考える時期にきている」と警鐘を鳴らす。
食料自給率(カロリベース)40%の日本。
国民一人ひとりがもっと「もったいない」という言葉をかみ締め、食べ物をもっと大事にする
ときでは・・・
忘年会 (イラストを模写)