全国職人の技展と紙風船
新潟の三越で県内外の伝統工芸品を一堂に集めた「全国職人の
技展」が開催されている。
職人の技といえば、全国の約9割のシェアを誇る出雲崎町特産の
紙風船があることを思い出し風船製造所を訪ねた
・全国職人の技展(新潟市中央区:三越・9月10日)
会場には43店が出店し、全国の職人が丹精込めて制作した品々が並び販売されている。
職人の実演販売も行われている。
・南部鉄器(岩手) ・江戸打ち刃物(東京) ・刷毛ブラシ(東京) ・竹細工(東京)
・木曽檜木工品(長野) ・江戸細紐(埼玉) ・熊野筆(広島)
などなど。
新潟県からも糸魚川の翡翠が出店していた。
・紙風船(出雲崎町羽黒:磯野風船製造所・9月11日)
与板町に3年勤務したことがあり出雲崎の町には何回も足を運んでいる。
紙風船作りの磯野風船製造所は、海岸線に沿って約4キロも続く有名な「妻入りの街並」の中にあった。
店内には「風仙子」と書かれた暖簾が下がり、「風船屋」と書かれたはんてんが飾られている。
天井から吊るされた紙風船が風に揺れる。
同製造所は1919年(大正8)創業。
昔から漁業の町として栄えた出雲崎町。
海の荒れる冬場の漁業に変わる仕事として、また漁師の妻の手仕事として、当社の先々代が考えたのが紙風船作りで、多くの町民が参加できる貴重な冬場の収入源となった。
紙風船は明治24年頃登場し、ゴム風船に代わって流行し、以来大正、昭和の時代を通じて子供たちの玩具として愛されてきた。
時代の流れとともに多くの同業者が廃業し今では街に1軒しかない。
・オリジナル紙風船作りに挑戦
同製造所ではいろいろなオリジナル紙風船を作っている。
・金魚 ・フク ・たこ ・ときお便り ・ねこ ・てんとう虫 ・かぶと虫
・地球ふうせん ・サッカーふうせん イチゴ ・花火
などなど。
いま新製品のニワトリ型紙風船に挑戦中だという。
・番外:置き薬と紙風船
紙風船といえば子どものころの富山の薬屋さんを思い出す。
富山の薬屋さんといえば「置き薬」で有名でわが家にも富山の薬屋さんの薬箱があった。
置き薬とは、使用分の代金をあとで支払ってもらう約束で、売薬行商人が家庭に置いていく薬。
薬屋さんが、背負っていた大きな「行李(こうり)」の中から新しい薬を取り出し薬箱の薬と交換する。
帰りに薬屋さんがみやげにくれるのはいつも紙風船。
紙風船には懐かしい思い出が。
紙風船の思い出が (イラストを模写)