草木が宝・布の原料で輝く

kanazu362010-11-21

11月19日小千谷市城内のサンプラザで、小千谷縮越後上布
の国連教育科学文化機関(ユネスコ無形文化遺産登録を記念
した石碑の除幕式が行われた。
石碑は、高さ約1.5m・幅約2.6m御影石で、中央に女性が
機織り機を操り反物を織る様子が描かれている。
カラムシなどの草木を原料した布製品を展する「直江兼続公の心を学ぶ藍(愛)とからむし展」が新潟市中央区西堀前通の三業会館で開催されていたので11月17日見てきた。
会場には野生の木の皮を糸にして織った「原始布」の布製品である、着物や帯、ショール、バックなど約200点が飾られている。
草木原料の布は自由に手にとって触れることができる。
・草木原料の布
 ・葛布(くずふ)
  クズ、クズカズラ、マクズなどとよぶ、秋の七草の一つにあげられる、マメ科植物の靭皮(じんぴ)繊維からつくられた織物。
 ・紙布(しふ)
  ミツマタ(三椏)、コウゾ(楮)、ガンピ(雁皮)などの繊維を漉(す)いて和紙とし、これを千鳥状に紙の一部を残し、細く裁断して紙縒(こより)とし、これをつなぎ合わせて織物に織ったもの。
 ・苧麻(ちょま:からむし)
  イラクサ科の多年草
  高さが1〜1.5mで本州から沖縄、アジアの東部から南部に広く分布する。
  古くから織物の原料とされている。
 ・藤布
  フジの皮の繊維をとり、紡績したのち製織した平織の織物
 ・榀布(しなふ)
  科布とも書く。
  シナノキ、マダノキなどとよぶ喬木(きょうぼく)の靭皮(じんぴ)繊維から績んだ糸で織った赤褐色の粗布。
 ・ぜんまい布
  ぜんまい綿は水をはじき、羊毛にも似たやわらかさ、独特の自然色を持っ。
  この綿を用いたぜんまい織が生まれた。
・番外:亀田縞(新潟市中央区西堀:西堀ローサ・11月17日)
 西堀ローサの一画に新潟市の8区を紹介するコーナーがある。
 江南区コーナーでは「亀田縞」を紹介している。
 亀田縞(かめだじま)の起源は享保年間とも寛政年間とも言われており、定かではない。
 当時は農家の自給用として織られていた藍染の綿織物が亀田商人の手によって集荷販売がされるようになった。
 亀田縞は農民の冬季の副業であったため、製品は必ずしも上等ではなく規格も不均一でしたが、安くて丈夫であったため需要があった。
 織る農民は袋津を主とした地域でしたが、亀田商人が集荷していたため、亀田縞と呼ばれるようになった。
 大正期にかけて亀田縞は全盛期を迎えたが、1938年(昭和13)に戦時指定生産が始まり、和服から大量生産の洋服へと移行が始まったことから、300年続いた亀田縞生産も終息していった。
 2005年(平成17)に亀田縞の再興をと地元の二人の職人が伝統を引き継ぎ復活させた。
先人の知恵、草木が布の原料となり素晴らしい布製品に大変身。
草木原料の布を手にとりそれぞれの布の感触を確かめた。

先人の知恵で草木が輝く (イラストを模写)