杉葉拾いと杉の御神木

kanazu362011-04-08

4月に入り各地の小中学校で始業式と入学式が行われている。
長岡市の長岡木工家具協同組合と長岡造形大学の研究室が
越後杉を使った小学校用の机と椅子を共同で製作し、4月7日
から同市の表町小学校で新1年生37人全員が使い始めた。
杉という言葉に杉葉拾いと杉の御神木を思い出した。
・すぎっぱ拾い(杉葉ひろい)
 登山道の杉林のそばの道を歩いていると、杉の葉が重なるように落ちており、杉の葉を踏みながら登山道を歩く。
 杉の葉を見てふと子どものころの「すぎっぱ拾い」を思い出した。
 今の子どもたちは、「すぎっぱ拾い(杉葉ひろい)」などという言葉は知っているだろうか。
 小学生のころ強い風が吹いた翌日、近所の仲間と大きな風呂敷を持ってを神社やお寺の境内に杉葉拾いに出かけた。
 境内に落ちている杉の葉を拾い集め風呂敷に入れる。
 風呂敷にいっぱいになると担いで家に帰る。
 杉葉は焚き付けになり親から重宝がられた。
・杉の御神木
 ・加茂青海神社の翁杉
  加茂山遊歩道を頂上の剣が峰の近くまで登ると、青海神社の神木翁杉が見える。
  加茂山で最も大きい老杉で別名千年杉ともいう。
  3月27日、加茂青海神社の御神木「翁杉」のしめ縄張りが行われた。
  翁杉は、樹高:20m ・目通し幹回り:6.5m ・樹齢年:推定1000年
  杉は、明暦2年(1656)から元禄2年(1689)にかけて加茂の大庄屋浅野三郎右衛門が植林した。
  かつて、信仰の神木として翁杉、媼杉(ばばすぎ)と呼ばれた一対があったが、媼杉は1961年9月16日の第二室戸台風で倒れてしまった。
  ふるさと加茂カルタに「別天地千年杉に夏の風」とうたわれている。
 ・珍しい大ケヤキと杉合体の御神木(旧村松町安出:大宮神社
  旧村松町中心部から、曹洞宗名刹慈光寺への途中に大宮神社がある。
  慈光寺の先は霊峰村松白山がそびえる。
  この道は、慈光寺・霊峰白山に通じるいわば信仰の道か。
  大木の並ぶ広い境内を進むと、社殿に向かって左側に大ケヤキが立っている。
  資料によれば、樹高:20m・目通り幹囲:5.5m・推定樹齢 300年以上で神社の御神木。
  御神木は成長の過程でスギを1本取り込んでしまった。
  根元を見ると大ケヤキの根元からスギの木が大きく伸び一本の木からケヤキとスギが成長し奇妙な光景を見せている。
  ケヤキとスギの木の両方にしめ縄が飾られている。
  古老の話では「神社の改修の話が出たときこの御神木は3000万の値段がついた。村人は御神木を売れば罰が当たるといってこの木を守った」と。
  境内には他に3m超のスギ2本とケヤキ1本が目につく。
 ・宝光院の婆々杉(弥彦村
  創建は建久6年(1196)に源頼朝の発願により僧禅朝が開基したのが始まりと伝えられている。
  当初は竜池寺と称しましたが弥彦神社別当である神宮寺が繁栄すると次第に衰退し、末寺である宝光院だけを残し廃寺となった。
  宝光院も明治時代初頭に発令された神仏分離令により一時衰退した後現在地に再興された。
  本尊は元神宮寺の本尊だった阿弥陀如来像で、寺宝に毘沙門天像(嘉暦3年作、檜材、寄木造り、像高:187?−新潟県指定重要文化財)がある。
  境内裏に婆々杉がそびえる。
  弥彦の婆々杉"と呼ばれる推定樹齢1千年、樹高40m、幹周10mの巨木。
  ・妙多羅天女と婆々杉伝説
   今から900年以上前の承暦3年(1079)弥彦神社造営の際、上梗式奉仕の日取りの前後について、鍛匠(鍛冶屋)黒津弥三郎と工匠(大工棟梁)の争いとなった。
   これに負けた弥三郎の母(一説に祖母)は無念やるかたなく、恨みの念が昂じて鬼となって、形相ものすごく雲に乗って飛び去った。
   それより後は、佐渡の金北山、蒲原の古津、加賀の白山、越中立山、信州の浅間山と、諸国を自由に飛行して悪行の限りをつくし、「弥彦の鬼婆」と世人に恐れられた。
   それから80年の歳月を経た保元元年(1156)、当時弥彦で高僧の評判高かった典海大僧正が弥彦の大杉の根元に横たわる一人の老婆を見つけ、悪行を改め、本来の善心に立ち返るよう説得し、さらに秘密の印璽を授け「妙多羅天女」の称号を与えたところ改心した。
   その後は神仏、善人、子どもの守護に尽くしたので、村人はこの大杉を「婆々杉」と呼ぶようになった。
 ・石動神社の夫婦杉(旧栄町吉野屋地区)
  石動神社は、旧栄町吉野屋地区の権現山の山頂に鎮座する。
  社殿まで400段ほどの石段が延々と続く。
  石動神社の鳥居の脇に「三条市指定文化財有形文化財彫刻石動神社の彫刻」という看板がある。
  石段の途中に「地蔵様」「観音様」「稲荷様」が祀られている。
  石段を登りり境内に出ると拝殿鳥居右脇に夫婦杉がそびえる。
  大杉の下部は二股に分かれ右が夫杉で左が婦杉。
新聞で新1年生が越後杉を使った新しい机と椅子で勉強する姿を見ると、子どものころ杉葉ひろいをした思い出が脳裏に甦る。

あっ!!新しい机だ (イラストを模写)