駒（人）は成金を目指す

孫が将棋をしたいと言う。
勿論はさみ将棋だ。
負けるのに苦労する。
将棋の駒の裏を見た。
王と金以外は、裏にも文字が書いてある。
すべて金（きん）という文字が。
敵陣に突入すると変身して金になれる。
いわゆる成金（なりきん）だ。
呼び名も変わる。
・歩はと（ときん）　・香は成香（なりきょう）　・桂は成桂（なりけい）
・銀は成銀（なりぎん）　・角は馬（うま）　・飛は龍（りゅう）
ただし、大駒の飛角以外は、成金になると己の力を失い金の力だけになる。
大駒の飛角は、己の力の他に王の力も兼ね備える。
インサイダー事件の証券取引法違反容疑で逮捕された村上世彰容疑者が、
逮捕前の記者会見で、「めちゃくちゃ儲けた。金儲けのどこが悪いのですか」
と逆に記者に質問したいた。
世の中万事金の世界か。
生まれながらに金（きん）の力を持つ、王と金の駒には裏に文字はない。
成金になる必要がないのだ。
駒（人）の世界も出世を夢見てまず成金を目指す。
成金を目指し、誰もが今日も汗水流して働く。
ことわざにある。
「悪銭身に付かず」、「正直の儲けは身に付く」と。
駒作り職人　（写真を模写）