この子はずくなしだ

kanazu362006-06-27

新聞に連載されている小林益夫さんの
「庭の歳時記」を読んだ。
花のイメージは名前次第と書かれていた。
「立てばシャクヤク座ればボタン歩く姿はユリの花」は、
美しい響きで美しい花を連想させる。
「立てばズクナシタニウツギ)座ればドクダミ歩く姿は
ウシコロシ(カマツカ)」では、イメージも悪く、誰ひとり
美しい花と呼んでくれないでしょう。
ズクナシドクダミもウシコロシもみんなきれいなかわいい花なのに」と。
ずくなしという言葉で、「この子はずくなしだ」と言っていた母を思い出した。
「ずくなし」とは、信州の方言で、「物事をする気なし。根気なし。やる気なし。
怠け者」と解説されていた。
意味を知り「この子はずくなしだ」と言っていた母の気持ちがわかつた。
ズクナシタニウツギ)の花は、赤や白い花を咲かせ美しい。
しかし、人に好かれない花だとも言われている。
理由は、
 ・ズクナシの枝は、死者があの世への旅立ちの杖として使われるからとか(会津地方)
 ・幹のズイにダニが巣くからとか
 ・お墓の横に植えられる仏さんの花だからとか
 ・お骨を拾う時に用いる箸だからとか
等など。
花のイメージが悪いことかららしい。
しかし、最近ではタニウツギの赤くて美しい花が、都会の人に人気があり
庭木として植えられているという。
庭木の手入れ (イラストを模写)