神頼みは回る高麗犬(こまいぬ)に願いを懸けて

kanazu362006-10-16

新潟市の下町に「高麗犬(こまいぬ)」が回る、
お稲荷さんがあると聞き参拝した。
普通こまいぬは「狛犬」と書くが、新潟市稲荷町
湊稲荷神社のこまいぬは、「高麗犬」と書く。
国語辞書で調べた。
高麗は、「こうらい」「こま」と読む。
高麗(こうらい)は、朝鮮を統一した王朝の一つ(918から1392)と書かれている。
稲荷神社までは、車で40分も走れば行けるが、今回は徒歩にした。
信濃川沿いを歩くコースを選んだ。
「やすらぎ堤(信濃川水門から万代橋までの約4.5キロ)」から「みなと・さがん
(万代橋からみなとぴあまで)」コースを経由し、旧新潟税関庁舎前から湊稲荷神社へ。
水辺の景色を見ながら往復約5時間をかけてゆっくりと歩いた。
赤い鳥居には、「湊稲荷神社」と書かれた額が掲げられている。
鳥居をくぐると参道の左右に高麗犬が鎮座している。
看板には、
「願懸けの高麗犬」
自分の願意(ねがいこと)を心に念じながら、男の人は向かって右、
女の人は向かって左の高麗犬を回して祈願して下さい。
と書かれている。
右側の高麗犬を回した。
簡単に石の高麗犬が回った。
願懸けのいわれは、
和船の出入りで新潟港がにぎわっていたころ、船乗りは夜花柳界で遊び、朝
遊女に送られ船に戻った。
船が出帆すると船乗りはいなくなり、花柳界のにぎわいはなくなる。
遊女たちは、船の出帆を押さえるため、湊稲荷神社の高麗犬の頭を西の方に向け、
西風を吹かせ船止めで船乗りが夜再び遊びに来てくれることを祈った。
また、境内の右側には、「下の新地の道楽稲荷、おれも二三度だまされた」の
石碑が建立されている。
このような、航海に関する逆風祈願の例は、
石川県羽咋郡富来町福浦    腰巻き地蔵
宮城県塩釜市寒風沢日和山   しばり地蔵
島根県隠岐島西郷港      草鞋(わらじ)かけ不動
がある。
この3例は、仏教の尊像に願懸けしているが、湊稲荷神社は高麗犬に願懸けをする唯一の
事例であると神社の資料に書かれている。
右側の高麗犬に願懸けした己れ。
我が人生に逆風祈願のご利益があるか。
犬の親子 (イラストを模写)