山のドングリの木はなぜ実を付けるのか

kanazu362006-12-10

ニュートンは、リンゴが木から落ちるのを
見て万有引力を発見した話は有名である。
リンゴの自然栽培に行き詰まり、死に場所を
求めて山に入った男が、ドングリの木を見て
「山のドングリの木はなぜ実を付けるのか」と疑問を持ち、根元の土を掘り起こし
栽培のヒントをつかんだ。
苦節8年、農薬も肥料も堆肥も使わずに自然農法で「奇跡のリンゴ作り」に成功した
青森県弘前市のリンゴ農家木村秋則(57歳)さんの軌跡がNHKの
プロフェッショナルで紹介された。
リンゴ農家に養子に入り大規模リンゴ農家を夢見た。
農薬の皮膚被害に悩み前途多難なとき出合った、1冊の本が人生を変えた。
本の名は、「自然農法」である。
周囲から農薬も肥料も堆肥も使わない農法は不可能と言われる中での門出であった。
成功までの苦節8年の軌跡は、
・1年目 害虫と細菌による病気の被害で収穫はゼロ
・2年目 リンゴの木に花も咲かず収穫はゼロ
・3年目 この年も収穫はゼロ。収入を求めて夜は、キャバレーの呼び込み等のアルバイトで
      得たわずかな収入と畑の雑草で飢えをしのぐ
・4年目 これ以上は家族に迷惑をかけられないと廃業を決意したが、子供に「今ここで
      やめれば私たちの今までの苦労はなんだったのか」と諭され決意も新たに
      再挑戦したが収穫はゼロ
・5年目 木が枯れ絶望の危機に
・6年目 夏の夜、死に場所を求め一人で岩木山に入り山中をさ迷った。
      地獄の中に光が、「突然目の前にリンゴの木が見えた」、近づくとドングリの
      木だった。
      6年間の苦労が、ドングリの実に注がれた。「山のドングリの木はなぜ実を
      付けるのか」と木に駆け寄り根元を掘った。
      土は柔らかい。経験が生きた。答えは、「柔らかい土か」とヒントをつかんんだ。
      新たに土作りからの再出発
      農薬と肥料を使わない自然農法の最大の敵は、害虫と細菌による病気。
      害虫は益虫が食べて駆除、細菌は、自家製の加工酢で殺菌し病気を予防した。
      2ha・600本のリンゴの木に酢を散布するのは重労働である。
      柔らかい自然環境の土を作るため、畑の土を踏み固めるスプレーヤー(噴霧車)は
      使わず手作業で散布した。収穫はゼロ
・7年目 収穫はゼロ
・8年目 春リンゴの木に 見事は花が咲いた。
      秋には、夢にまで見た初めてのリンゴの収穫  
木村さんの作る自然栽培のリンゴは、産地直送で1個300円で販売される。
人気ブランド商品で、インターネットで10分で完売する。
農薬や肥料を使わない、木村さんのリンゴ作りの哲学は、
「私の目が農薬であり肥料である」
「木を育てない。手助けするだけ」「木の育ちやすい環境を作るだけ」
8年間と言う茨の道のりには、世間から「バカだ」「カマド消し(カマドの火が消えると
その家はなくなる)」といわれる中、「壁を乗り越え、一つ乗り越え、また一つ乗り越え、
階段を一歩一歩登って行ったことがリンゴのみのりにつながった」と。
物を見て疑問を感じ、その解決に取り組む努力が大きな夢に花を咲かせることになる。
山のドングリの実を見て「非凡と凡人の差は何か」・・・・・
ドングリの実は (イラストを模写)