過疎が進む生まれ故郷の集落が消える

kanazu362007-06-12

厚生労働省は5月29日、2035年の都道府県別
将来推定人口を発表した。
日本の人口は、2005年が1億2777万人、
2035年が1億1068万人、2055年が8993万人。
新潟県の人口は、2005年が243万1000人、2035年が187万5000人と
55万6000人減。
故郷上越市では、2006年11月中旬から1カ月かけて調査した、過疎集落実態
調査結果を5月25日発表した。
調査対象集落は、2006年3月末現在で65歳以上の高齢者が半数以上を占める
53集落(7800世帯・1739人)。
その結果、
・このまま維持が可能とする集落はわずか3
・世帯数が最盛期から半数に減った集落は36
・農道や用水維持管理の共同作業については約8割の集落が現在も行っている
・稲作を行っている49集落のうち30が「稲作農家の後継者がまったくいない」
市では、林地は「荒れ放題」で「保水力の低下や、獣による作物被害が発生している」と。
集落の人たちは、「集落機能の維持」について、
・可能と答えたのは3集落
・難しいと答えたのは21集落
・5年から10年程度は維持可能と答えたのは25集落
世帯数や人口の減少の原因は、
・農作業では生計が立てられなくなった
・通勤や通学に不便である
・後継者が同居している世帯は19%
・後継者がいるが同居していない世帯が62.3%
そのうち、
・後継者が帰郷する可能性があるのは7.1%
・同居せず現在地に住み続けたいが53.8%
・後継者世帯の居住地に転居するが35.9%
中山間地は過疎に悩む。
農村開発企画委員会(2006年3月)の調査では、過疎に悩む山村集落は全国に
2万カ所以上あるという。
国土交通省によると、全国の2641集落で人が住まない消滅状態となる恐れがあり、
そのうち422集落は10年以内に消滅する可能性があるという。
限界集落」は、2006年4月時点で約7800もある。
限界集落」とは、住民の過半数が65歳以上の集落。
上越市では、調査した53集落の集落名を公表していない。
故郷上越市の将来が気になり集落の状況について調べた。
調査は簡単である。
国土交通省外郭団体である日本地図センターでは、2006年10月2日から
「地域の人口推移や気象」等の統計情報を全国の町名単位で検索・閲覧できる
「地図インフォ」をインターネットで無料提供している。
上越市の地図を見ながら山間地の集落の世帯数と人口を調べた。
2004年から06年までの3年間の世帯数と人口の推移が掲載されている。
2006年の統計によれば、
・塩荷谷1世帯1人 ・後谷1世帯4人 ・上湯谷2世帯4人 ・上綱子3世帯6人
・宇津尾5世帯8人 ・横畑7世帯11人
・儀明0世帯0人 ・轟0世帯0人
懐かしい母の故郷宇津尾は、現在5世帯8人。
老夫婦二人が暮らし、生家を守っている。
学校(飯小学校分校)も神社もあり、多くの子どもたちの声が集落から聞こえていた。
春休みや夏休みや冬休みに、母の田舎で村の子どもたちと野山で遊んだ記憶が甦る。
集落に通ずる道路も拡幅され交通が便利になった。
便利さが逆に若者を町へと。
若者が集落を去り、人の住まなくなった空き家が集落に点在する。
学校も閉校となった。
ああ、過疎が進む。
生まれ故郷の集落が消える。
懐かしい田舎の思い出は、記憶の中に残るだけか。
子どもの姿がない (イラストを模写)