キジ鳩と庭の生き物たち

kanazu362007-07-28

「雉(キジ)も鳴かずば打たれまい」という
諺がある。
雉も鳴かなければ所在に気づかれず撃たれることも
なかったろうにという意から、なまじ無用な発言をしたために
わざわいを招くことのたとえ。
7月25日夕方、低い声で「ホーホーホッ」と鳥の鳴き声がする。
庭のツガの木からだ。
妻が「キジが卵を温めてオスを呼んでいるのでは」と。
鳴き声がキジの居場所を老夫婦に知らせた。
我が家の庭にキジが戻ってきた。
昔、我が家の庭のキーフルーツの棚木で育った幼鳥だろうか。
これまでに我が家の庭からは、キジ鳩が2度巣立ちをしている。
数年前、巣立ちした幼鳥が物干し竿に留まった。
運悪く物干し竿がクルッと回転し幼鳥が転落、落ちたところを猫に襲われた。
それ以降、我が家の庭ではキジ鳩は巣作りをしなくなった。
記憶を頼りに10年間の日記を調べた。
1998年6月27日キウイフルーツの棚にキジ鳩2羽の姿が
1998年7月6日キジ鳩のヒナ2羽巣立ち
1998年9月9日キジ鳩のヒナ2羽巣立ち1羽が巣立ちに失敗猫に襲われる
今回の巣は、キウイフルーツの棚木でなくツガの木である。
ツガの木を下から見上げた。
親鳥が枝の上でじっと動かず、目だけをキョロキョロと動かしている。
ポケットガイド「新潟県の野鳥180種」(千葉晃・本間隆平著刊)でキジバト
を調べた。
生活環境 山・平地(広範)、1年中見ることができる
特徴は、ドバトより少し小さく全身淡いぶどう色
鳴き声はのんびりした声でデデッポーポーと鳴く
並木や庭のフジ棚などに粗雑な皿形の巣をかける
と書かれている。
庭の生き物たちも活発に動き回る。
今年もカマキリが姿を見せた。
2匹も。
1匹はユリの白いつぼみの上に、もう1匹は若葉色の葉の上に。
デジカメを近づけると釜を持ち上げ威嚇する。
大きさを物差しで測った。
10センチと3センチ。
大きさの違いはふ化した時期が違うからだろうか。
カナチョロがブロック塀の上で日向ぼっこしている。
ブロックは日が当たり暖かいのだろう。
アリは忙しそうに木の幹を上り下りする。
アゲハ蝶が花の周りを乱舞する。
赤トンボが負けじと庭の草花の上を飛び回る。
クモが大きな網を張り獲物を待つ。
網のそばをハチやカナブンが飛びまわる。
小さな虫が、クモの巣にかかっている。
ツガの木からは、低い声で「ホーホーホッ」とキジ鳩の鳴き声がする。
のどかな夏の一日が過ぎてゆく。
キジ鳩の低い鳴き声と庭の生き物たちが、しばし暑さを忘れさせ心を和ませてくれる。
キジ鳩があそこに (イラストを模写)