街に聞こえるお国ことば

kanazu362007-08-13

お盆の13日。
街は帰省客で賑わう。
懐かしいお国ことばが聞こえて来る。
知人と新潟市内を散策、日本海タワーに上った。
海抜63mの日本海タワーの展望台は、25分で一回転する。
東側は、ネクスト21の高いビルや古くから新潟の繁華街として賑わう
古町界隈が見える。
西側は、緑の松林の先に日本海の青い海が広がり、遠く佐渡ケ島が眺望できる。
南側は、新潟県庁の高いビルがそびえ建ち、越後平野の遠く先に弥彦山が見える。
北側は、眼下に下町の風景が広がり、遠くに新潟西港や東港が見える。
展望台に通ずる階段壁に「新潟地方の方言」のいくつかが貼られている。
懐かしいお国ことばの脇に意味が書かれている。
お国ことばと意味を読みながら階段を上った。
“展望台はんまそこだね” (展望台はごくちかいですよ)
“なまらねでっけが” (物凄く大きいよ)
“だっちもねがんだろうも” (つまらない物ですが)
“ちょしぼっこすなや” (いじり壊さないで)
“あんべえなじらね” (具合はどうですか)
“んながずったすけや” (お前が動いたからさ)
“柿がふっとつよんだ” (柿が沢山熟したよ)
“どうらねなんぎらったかね” (どうです疲れましたか)
読んでいると、あっという間に展望台に到着した。
新潟と上越高田では、お国ことばにも少し違いが。
懐かしい故郷高田のお国ことばを思い出した。
おまん(お前) おまんた(お前たち) とぶ(走る・かける)
あいぶ(歩く) あいべ(歩け) びちゃる(捨てる)
ようさり(夜) きない(来なさい) きなんな(来るな)
くんない(ください)  あんちゃ(兄) おっかない(こわい) 
おまん ようさり おっかないから きなんな
(お前さん、夜はこわいから来なさんな)
懐かしい方言(お国ことば)が、本やCDになって発売されている。
本は、蒲原の暮らしのことば(野口幸雄著)、新潟南蒲原(三条・下田・栄)
方言集(大久保誠著)、魚沼ことば(五十沢友郎著)等など。
CDは、日常生活で使える方言をまとめた「今すぐ使える新潟弁」のラブラブ編と
結婚・出産編や新潟の方言で軽快に新潟を賛歌したご当地ソング「新潟いいねっか」
「だすけ新潟」等など。
昔から新潟市の人は、発音で「い」と「え」の区別がつかない。
「苺(いちご)」を「えちご」、「鉛筆(えんぴつ)」を「いんひつ」と発音する。
「い」と「え」の反転現象の面白いエピソードが新聞に出ていた。
カラオケ大会で司会者が曲名をたずねたところ、おばあさんは「人生えろえろ」を
歌います。
会場からは、一瞬どよめきが。
歌った唄は「人生いろいろ」だった。
帰省客で賑わう真夏の新潟の街から、懐かしいお国ことばが聞こえて来る。
お国ことばで話す (イラストを模写)