猛暑と鯨汁

kanazu362007-08-17

日本列島は連日猛暑が続く。
16日、埼玉県熊谷市岐阜県多治見市で
40.9度と国内最高気温を記録した。
この記録は、昭和8年の山形市の40.8度を
74年ぶりに更新する猛暑。
新潟県下も連日猛暑が続く。
12日は旧小出町で37.9度と全国最高
13日は旧小出町で37.3度と全国2番目
14日は旧津川町で36.9度
15日は旧高田市で35.3度
16日は旧小出町で34.6度
新潟市真夏日が続く。
11日が33.1度、12日が34.8度、13日が34.4度、
14日が33.8度、15日が34.0度、16日が33.2度
きょう17日の天気予報は、新潟市では久しぶりの雨。
昔から夏といえば脂肪が多く栄養豊富な鯨汁が、夏のスタミナ源として
食卓を飾った。
新潟市内で家庭料理教室を開いている佐藤淳子さんの鯨汁レシピーには、
「脂にうま味栄養満点野菜たっぷりふるさとの味」として4人分の材料が
紹介されている。
だし汁4カップ ・みそ20グラム ・鯨肉70グラム ・夕顔200グラム
・丸ナス1個 ・ゴボウ2分の1本 ・油揚げ2分の1枚 
ミョウガ50グラム(または長ネギ1本)
できあがった鯨汁に、ミョウガまたは長ネギを浮かせ香りを引き立てる。
昔は、捕鯨禁止はなく鯨は自由に捕れた。
今は、調査目的の捕鯨でしか鯨は捕れない。
昭和30年代までは、多くの日本人が鯨肉を食べた。
鯨肉は、高タンパクで低カロリー、ビタミンAが豊富に含まれていて、低脂肪、
コレステロールのヘルシー食材だ。
安くていつでも自由に食べられた鯨肉は、今では貴重品である。
あの赤肉の「鯨大和煮缶詰」が懐かしい。
体力作りに通う「にいがたアクアパーク」の食堂メニューに、鯨汁が1杯
600円と書かれている。
夏のスタミナ源といえば、ウナギやドジョウも思い出す。
ウナギなどは高根の花で子どものころ食べたことはなかった。
面白い記事が新聞の「日報抄」に載っていた。
「甘酒の地獄もちかし箱根山」(与謝蕪村)。
甘酒を飲めば地獄のように暑い箱根の山登りも楽に感じられる、といった意味
だろうか。
江戸時代の俳書「御傘」に「ひと夜酒、夏なり。あま酒とも読めば、あま酒も
夏なり」とある。
甘酒の季語は「夏」。
江戸時代の人々は、真夏に熱い甘酒をふうふう息を吹きながら飲んで「体に
よい消夏法」と喜んだ。
東京農大小泉武夫教授は、「理にかなっている」と、感嘆する。
甘酒は、ブドウ糖が20%を軽く超し、コメのタンパク質も必須アミノ酸
変えられて豊富に含まれている。
「さらにビタミン類、パントテン酸など、生理作用に不可欠のビタミン群が
大量にある。
甘酒は、江戸時代の総合健康ドリンク剤なのです」と電源開発株式会社の
広報誌に書いている。
甘酒が夏の季語で江戸時代の総合健康ドリンク剤だったとは知らなかった。
お盆の墓参りで妻の実家の柏崎に帰った時、みやげに夕顔を沢山いただいた。
我が家の鯨汁は、味噌と塩鯨と夕顔だけで作る簡単なもの。
今日も食卓に鯨汁が上がる。
昔懐かしい鯨の赤肉の鯨大和煮は、いつ食卓に上るだろうか。
猛暑には、栄養満点の鯨汁をフウフウと息を吹きかけ汗を拭きながら飲むのが、
夏負け防止に一番。

きょうも鯨汁 (イラストを模写)