稲わら焼却煙害とバイオ燃料

kanazu362007-10-01

9月30日のNHKテレビ「経済羅針盤
勇心酒造社長・農学博士徳山孝さんの
「米と微生物日本型バイオ」を観た。
今日から10月。
黄金の稲穂の波に揺れていた郊外の田圃も稲刈りが終わり、その姿も一変した。
コンバインのエンジンの音も田圃から聞こえなくなった。
・稲わら焼却煙害
 越後平野をドライブすると道路脇にノボリが立つ。
 “稲わら焼却防止 稲わらを使って元気な田んぼに 新潟県”と。
 子どものころの田圃の姿は、農家の人たちが総出で稲を刈り、刈った稲をあぜ道の
 はざ木(たも木)に架け天日干しした。
 脱穀後の稲わらは、たい肥・米俵・ムシロ・わら靴・わらぞうり・家畜の飼料等に
 有効に利用されていた。
 泥と混ぜられ壁の基礎や畳の芯やワラ紙の原料等にも利用される貴重な物だった。
 今は、コンバインで刈り取られる時代、稲わらやもみ殻を利用する人は少ない。
 不要な稲わらやもみ殻は、田圃で焼却される。
 稲わらやもみ殻焼きは、秋の風物詩にもなっていた。
 田圃のあちこちから立ち込める白い煙が煙害となり多くの人を悩ませる。    
 稲わらやもみ殻の焼却防止キャンペーンが続く。
 ノボリのほかに、新潟市西区役所では、「西区役所だより」で
 「稲わら・もみがら焼却は絶対にやめましょう。
 焼却すると煙が出るため、ぜんそくを引き起こしたり、視界を妨げ交通障害を起こす
 など、生活環境に悪影響を及ぼします。
 稲わら・もみがらは、貴重な有機質資源です。たい肥にするなどして、有効に活用
 しましょう」と。
 今は、県内をドライブしても稲わら・もみがらを焼却する農家はほとんど見られない。
 9月29日、旧与板町塩之入トンネル付近の田圃で稲わらを燃やし白い煙が立ち込める
 光景を見た。
 9月29日、旧和島村小島谷地区の田圃で、あぜ道に仮設のはざ木を作り刈り取った
 稲を天日干ししている珍しい光景も見た。
 はざ木架けの光景は、旧岩室村夏井でも見た。
・不要な稲わらをバイオ燃料
 農水省は、稲や麦のわら・もみ殻といった農業の副産物からバイオ燃料エタノール
 を生産する実証事業を来年度から始める。
 実証事業は、モデル地区に、農業副産物の燃料化を研究している民間企業などが
 小規模プラントを建設。
 周辺の農地から稲わらなどを収集し、日量1から3キロリットルのエタノール
 製造する。
 稲わらなどは国内で年間千四百万トン発生しているが、飼料などで利用されて
 いるのは3割程度。
 放置されている残りの副産物を効率的に使い、コストダウンも実現すれば、
 計算上は、年間最大200万キロワット(ガソリンに換算すると現在の国内
 年間消費量の2%に当たる120万キロリットル)生産が可能と。
米農家を取巻く環境も厳しい。
米消費の減少と米販売価格の値下がりで米を作っても採算が合わなくなってきた。
追い討ちをかけるように新規就農者や後継者不足が深刻な問題に。
生産意欲の減退や離農者の増加が、農地荒廃に拍車をかける。
夢のバイオ燃料の生産量増大には稲わらは欠かせない。
稲わらが重要な資源に変身する。
稲わらの有効利用で稲わらの焼却煙害がなくなる日が・・・
 
はざ木見つけた (イラストを模写)