シラミとDDT

kanazu362007-11-29

シラミとDDT。
懐かしい言葉が新聞に。
11月5日の新聞に「アタマジラミにご用心」
11月16日の新聞に「DDTなど禁止農薬遡上サケに残留」
と。
二つの言葉に終戦直後学校で、DDTを散布され頭の毛や衣服を真っ白にされた記憶が
甦った。
アタマジラミとは「頭に寄生し、毛髪に産卵する。成虫は体長3―4ミリで細長く灰褐色。
肉眼でも見ることができ、側頭部や後頭部などで卵が見つかることが多い」。
DDTとは「有機塩酸系の強力な殺虫剤の一種。安価に大量生産できるため1940年代
から世界中でシラミや蚊など害虫退治に使用されたが、1960年代以降は有害化学物資
として各国で使用が禁止になった」。
ヒトジラミは法定伝染病に指定されていた発疹チフス(病原体はリケッチア)を媒介
するので、終戦後まもなく進駐した米軍はDDTを緊急輸入して、その10%粉剤を駅の
改札口などで人体に強制散布し発疹チフスを予防した。
昔は、風呂のない家が多かった。
終戦直後は、物資不足で石鹸などは貴重品、銭湯に行くのも週に一二度、風呂に入れず
髪も洗えずシラミのたかっている子が多かった。
小学校でもヒトジラミ退治のため強制散布が行なわれた。
クラスごとに運動場に並ばされ、先生から頭や衣服にDDTを散布され体中が真っ白に
された記憶がある。
インターネットで「シラミ」を調べた。
1947年当時小学校で「DTDの歌」が振付けつきで教えられていたことを知った。
歌ったここも聴いたこともともない歌だった。
歌詞は、
チン チン チフス 発疹チフス
みんな嫌いだ 大嫌い
お閻魔(えんま)さまより なお嫌い
そこで撒(ま)きましょ DTD DTD
ノンノン ノミも シンシン シラミ
みんないないよ もういない
おもてで元気に あそべます
お礼をいいましょ DTD DTD
シラミに関する言葉を調べた。
「しらみつぶじ」の意味は、物事をかたっぱしから一つ一つ落ちのないように処理
すること。
「しらみの皮を槍で剥ぐ」や「やせじらみを鑓(やり)剥ぐ」の意味は、小さなことを
処理するのに、大げさな方法をとること。
「しらみは頭に処(お)りて黒し」の意味は、白いしらみも頭髪の中にいれば黒く
なるように、人も環境や周囲の感化によって変わるというたとえ。
最近、アタマジラミが増えていると新聞に。
アタマジラミは子どもに多く、遊ぶ祭に髪の毛が触れ合って感染が広がるようだ。
不潔だから発生するわけでない。
シラミを知らない世代が親になり、子どもの感染に気付かないことが拡大の原因の
一つだと。
子どものころ母から「髪が濡れているると髪にシラミがたかる」と注意された。
女の子は、シラミがたかると髪を短く切られた。 
シラミを知らない娘や孫。
何十年ぶりに目にする「シラミ」と「DTD」という言葉。
シラミの成虫は、体長3―4ミリで細長く灰褐色で肉眼でも見えるという。
子どもも大人も髪の毛に注意を。
シラミ対策は大丈夫か・・・

髪をすく (イラストを模写)