新潟の下駄はきのも展と新潟下駄   総踊り

kanazu362008-03-28

坂井輪公民館の掲示板に「みなとまちの下駄文化“はきのも展”」
開催のポスターが掲示されている。
新潟で下駄といえば、近年「下駄総踊り」が有名だ。
「下駄」ということばに懐かしさが。
故郷高田の生家の向かいに下駄屋があり職人が裏の作業場で下駄を作っていたのを
思い出す。
3月19日会場の「にいがたみなとひあ」を訪れはきもの展を見た。
・はきもの展
 子どものころ履いた履物は、下駄か足駄だった。
 遠足のときは運動靴を履いた。
 会場に入ると「ゲタとは」「ゲタの歴史」などの掲示板がある。
・ゲタとは
 ゲタはその目的から二つのタイプに分けられる。
 一つは、暮らしの履物として使う。
 ゲタはワラの履物に比べて丈夫で明治から昭和の半ばにかけて広く日常の暮らしに
 使われた履物。
 二つは、仕事の道具として使うゲタ。
 田仕事で泥に沈まないように履く田下駄の一種の「カンジキ」をはじめ仕事の必要に応じて
 工夫され様々な形や機能を持つゲタが使われた。
・ゲタの歴史
 ゲタの歴史は古く、既に古墳時代にあったといわれる。
 古代・中世を通じて各地の遺跡でゲタ資料が出土している。
 近世に入ると江戸などの大都市でゲタの種類・数が一気に増加した。
 明治の中ごろから昭和の半ばにかけて普及したゲタも洋装化と靴の普及により姿を
 消してきた。
・新潟のゲタ作り
 江戸時代末期の文献によると、新潟のゲタの生産量は110万足・職人は180人と
 記録されている。
 新潟市の桐履物(ゲタ)の生産量・生産額は、
 ・1904年(明治37) 生産数量 100万足 価格 38000円
 ・1907年(明治40) 生産数量 240万5000足 価格 146705円
 ・1910年(明治43) 生産数量 110万足 価格 71000円
 ・1913年(大正2) 生産数量 290万足 価格 366000円
 ・1925年(大正15) 生産数量 140万2400足 価格 322552円
 ・1930年(昭和5) 生産数量 182万3000足 価格 218760円
 ・1935年(昭和10) 生産数量 186万3300足 価格 372660円
 ・1940年(昭和15) 生産数量 107万5000足 価格 752500円
・展示されている履物
 ゲタ ・コアシタ(ツマカワ付) ・タカアシダ(歯が高く厚いゲタ) ・ポックリ
 塗りゲタ ・子ども用ゲタ(ゲタに貼り絵がついている) ・ユキゲタ
 田仕事のときに履いたかんじきやワラグツなどなど。
・ゲタの天気占い(明日天気にしておくれ)
 「明日天気になれ」と声を上げながらはいているゲタをけり上げ地面に落ちたゲタの
 向きで天気を占った。
 ・表が出れば晴れ ・裏が出れば雨 ・横向きに立てば曇り 
・ゲタの材料
 杉や松のほか様々な雑木が使われ、最も適材は桐。
 桐は、軽くて熱を伝えにくく冬でもひんやりとしない。
 新潟と会津が桐の名産地。
・桐下駄と高足駄
 桐下駄は高級品だが減りも早い。
 子どものはく下駄は、杉か松材でそれも高足駄。
 高足駄とは、雨の日などに履く、高い歯の下駄。
 歯は差し歯で、磨り減ると差し替える。
 男物は歯が厚く、女物は薄い。
 雨、雪の日は爪革(つまかわ)を掛ける
・故郷高田の雪下駄と土産用ミニ雪下駄
 雪国の生活に欠かせない冬の履物「雪下駄」。
 「雪下駄」は、江戸時代に高田藩の御用医が、雪道でも歩けるように発明したと
 言われる。
 雪深い上越地域で昔から履かれていた一本歯の下駄で、つま先に雪が入らないよう
 皮などで覆われている。
 今、雪下駄を製造するのは全国で上越市東本町の竹田履物店の竹田亀治さん(88)
 ただ1人だ。
 土産用のミニ雪下駄は、大人用の半分ほどの4寸(約12センチ)の大きさで装飾品
 として根強い人気がある。
にいがた総おどり(下駄総踊り)
 江戸時代にあった新潟での盆踊りで、74ある橋の橋げたに人々が小足駄と呼ばれる
 下駄を橋げたに打ち鳴らして三日三晩踊り明かす祭り。
 2002年に新潟商工会議所をはじめ若者達が中心となり、市民県民が一丸となって
 立ち上げ、にいがた総おどり(下駄総踊り)として誕生した祭り。
 2006年は、3日間で参加団体数200団体、踊り子総勢1万人、市民ボランティア
 400人が参加、観客動員数36万人を超えた。
 「下駄総踊り」で履いている小足駄は、旧巻町の小林履物店三代目の小林哲男さんが
 すべて手作りで作る。
 当時は多くの人が履いていた小足駄ですが、今では小足駄を履くどころか作れる職人も、
 小林さんを含め全国でも3名ほどしかいないといわれる。
遠足の前日、「明日天気になーれ」と下駄で天気占いをした思い出や、桶職人の父が、
近所の下駄屋さんに頼まれ高足駄の歯の差し替え作業をする姿を思い出す。

下駄と着物 (イラストを模写)