北前船と港町商人の町屋として栄えた 塩谷を散策

kanazu362008-10-15

今日15日、地域活動に実績のあった6団体が
2008年度の「新潟県自治活動賞」を受賞する。
町屋保存活動に取り組み町屋の魅力復活と観光に貢献した
むらかみ町屋再生プロジェクト(村上市)も表彰される。
北前船と港町商人の町屋として栄えた塩谷(旧神林村)の町屋が公開されると知り
12日、塩谷地区を訪ねた。
街に入ると、赤く染め抜いた「北前船と港町商人の町屋しおや」の旗が訪れた人を
歓迎する。
北前船の寄港地塩谷とは
 神林村と塩谷村の町村合併を調べた。
 ・1889年4月1日町村制施行に伴い、岩船郡平林村・塩谷村・神納村・東神納村が
  成立
 ・1901年11月1日、平林村と塩谷村が合併し、平林村となる
  神納村と東神納村が合併し、神納村となる。
 ・1955年1月10日、 神納村、平林村、西神納村が合併し、神林村が発足
 ・2008年4月1日、 村上市、荒川町、神林村、朝日村山北町と合併し、新生
  村上市誕生
・第3回塩谷地区町屋散策イベント
 2006年10月に始まった「塩谷の町屋散策」イベントも今年が3回目。
 町屋散策マップによれば今回公開される施設は12カ所。
北前船の寄港地荒川河口の港町として栄えた旧塩谷村
 その昔、村上藩ではこの港の重要性を考え、村外れの小高い丘に「沖の口番所」を
 置いた(今は稲荷神社となっている)。
・町屋散策
 ・稲荷神社と稲荷山展望台
  塩谷大通りの外れの小高い丘に赤い鳥居がいくつも続き、その奥に社がある。
  神社の裏の広場に「稲荷山展望台」がある。
  展望台から塩谷の街並みと佐渡や粟島や飯豊の山並みが見える。
 ・山上邸(瀬賀酒店)
  北前船の回船問屋として栄えた。
  裏に川が流れており船が土蔵まで横付けされた。
 ・マルマス商店醤油蔵
  明治時代創業の老舗味噌醤油業。
  2002年まで創業していたが後継者難から廃業。
  当主は代々「野澤豊五郎」を襲名し4代続いた。
  蔵には大きな樽が並ぶ。
  30石(5400リットル)の大きな樽には梯子がかかっており中をのぞくことが
  できる。
  廃業のため使われなくなった醤油蔵は、今は多目的ホールとして利用されている。
  客席のテーブルは大樽のふたを再利用、腰掛は樽。
 ・円福寺
  ボランテイアの人の話では、塩屋集落誕生のときからある寺だと。
  この寺は、本尊仏(大日如来)をとり巻くように24体の御沢堂仏神が祀られている
  のが特徴だと。
 ・甚五平邸・元菓子屋邸・弥次平邸・三作邸などなどを見学。
・中学生と創る「ごんぎつね」(瀬賀邸)
 平林中学校の生徒が筝の伴奏につけ、3年生3人が交代で「ごんぎつね」を語る。
 物語は、悪さをした狐が後悔し、罪滅ぼしに恩返しをするが、また悪さをする狐勘違いされ
 鉄砲で撃たれて殺されてしまう。
町屋は妻入りの屋根で、家の奥まで続く土間の通り、風通しをよくするため木を格子状に
はめ込んだ「ささら戸」、いろり、高い吹き抜け、大きなケヤキの柱などが特徴で、北前船
栄えた港町商人の往時の繁栄ぶりが偲ばれる。
道であった老婆が、「今日は多くの人で街は賑わっていますが、明日になれば人影のない
寂しい街にまた戻りますよ」の言葉が胸に響いた。

北前船で栄えた塩谷の街を歩く (イラストを模写)