大根干しと大根漬け
木枯らしの季節がやってきた。
新潟地方気象台によると、18日夜から20日にかけて、
日本海にこの冬一番の寒気が流れ込み、強い冬型の気圧配置に
なるため新潟県内の山沿いや山間部で積雪の可能性があると。
11月16日親戚の法要で久しぶりにふるさと高田に帰った。
昔懐かしい「大根干し」の風景が仲町6丁目の雁木通りに見られた。
大根といえば新潟市赤塚の大根漬けが今が最盛期だ。
11月14日、赤塚の漬物工場を見学した。
・大根干し
ふるさと高田の「大根干し」と「カブナ(野沢菜)漬け」は初冬の風物詩だった。
近郷の農家から大根やカブナを買い水洗いし大根は軒下に干して漬け、
カブナはそのまま樽に漬ける。
今では想像も出来ないだろうが、川のきれいな頃は、儀明川や青田川などで大根や
カブナを洗う姿が見られた。
洗った大根は、稲わらで編んだり大根の先に穴を開けわらを通して結び軒下に干す。
2週間ほど天日干ししその後に樽に漬けるとたくあんになる。
越冬食品だったのでどこの家も大きな樽に漬けた。
頚城風物詩(小林勉・丸山秀雄・西島正著)の秋編に西島さんが「カブナ(野沢菜)漬け」
の中で、「カブナ漬けがおわると今度は大根漬け込みである。
その頃はもう里には白いものがまいおりる」と書いている。
聞けば、ふるさと高田の大根干しは、昔ながらの景観を保存していこうと仲町6丁目の
町内の有志が発案、4年前から取り組んでいるもの。
わが家の車庫にもビニール紐で編まれた数本の大根が干されている。
干された大根はやがてハリハリの材料に。
・大根漬け
新潟市赤塚は、昔から新潟の名産野菜で知られる「赤塚大根」の生産地で有名だ。
JA新潟みらいの資料によれば、
生産者は47名 ・生産面積40ha ・出荷時期 9月下旬から11月上旬 ・
出荷量1011トン
11月14日、新潟市木山の「二むら漬物」工場を見学した。
・大根の収穫
畑で葉を切り落とし、10本ずつネット袋に入れる
・大根の搬入
トラックに積み込み工場へ
・漬物工場では
収穫した大根をベルトコンベアーに乗せ洗浄所で洗浄
・洗浄後はコンクリート製の大きな容器の中へ
・塩(天日原塩)をかける
・たくあん用と味噌漬け用に分ける
漬物工場では多くの人たちが忙しそうに働いていた。
工場長は、ここでは市販する小売商品は作っていませんと。
・番外:浄興寺の「大根炊き」
晩秋の風物詩ふるさと高田浄興寺の「大根炊き」が今年も11月2日行われた。
「大根炊き」は、浄土真宗では、開祖・親鸞聖人に信者がささげたのが始まりとされ、
全国各地の寺院で行われる。
浄興寺は親鸞聖人が創建、本堂は延宝7年(1679)に建築された。
浄興寺の「大根炊き」は2005年に復活され、11月3日信者などに1皿500円で
振る舞われる。
・番外:観光客が赤カブ漬けに挑戦
11月12日、新潟県北の旧山北町山熊田の集落で伝統農法の焼き畑で育てた赤カブを
収穫し、漬物にする赤カブ漬けの体験教室が開かれ多くの観光客が挑戦した。
冬の風物詩の昔懐かしい「大根干し」の風景を見、「大根漬物工場」を見学した。
大根干し (イラストを模写)