平仮名とふり仮名の砂山の詩碑

kanazu362008-11-29

NHK紅白歌合戦に連続30回出場の新潟市観光大使
小林幸子さんが11月27日来県、新潟市の篠田昭市長との
会見の席で、注目の紅白歌合戦の豪華衣装について、
今年は「日本海の砂浜をイメージしたものになる」と。
11月21日、新潟市中央区役所主催の文人石碑めぐりで新潟市護国神社境内の
松林の中にある北原春白の「砂山」の詩碑を見た。
解説者の若月忠信(敬和学園大学客員教授)さんは、詩碑は「平仮名とふり仮名」
で書かれていると。
最近、麻生太郎総理の誤読や失言が新聞テレビで話題になっている。
未曾有(みぞう−みぞうゆう) ・踏襲(とうしゅう−ふしゅう)
頻繁(ひんぱん−はんざつ) ・詳細(しょうさい−ようさい)
「たらたら飲んで、食べて何もしない人の医療費をなぜ私が払うんだ」
などなど。
北原白秋の「砂山」
 北原白秋が大正12年(1923)6月、新潟での童謡音楽界で小学生の前で講演、
 新潟の童謡を作ることを約束した。
 会が終わり、先生たちと砂浜に出かけ、荒海に浮かんだ佐渡島、暗い荒磯づたいに
 家路を急ぐ子供たちの様子を見て詩想をねったのだという。
 雑誌「小学女生」9月号で中山晋平の作曲譜とともに発表。
 昭和2年(1927)になって今度は山田耕筰が符曲。
・平仮名とふり仮名の北原白秋「砂山詩碑」(護国神社境内・昭和36年6月建碑)
 護国神社境内の松林の一角に「砂山」の詩碑が建っている。
 原文は
 1 海は荒海 向こうは佐渡
   すずめ鳴け鳴け もう日は暮れた
   みんな呼べ呼べ お星様出たぞ
 2 暮れりゃ砂山 潮鳴りばかり
   すずめ散り散り また風荒れる
   みんな散り散り もう誰も見えぬ
 3 帰ろ帰ろよ ぐみ原分けて
   すずめさよなら さよならあした
   海よさよなら さよならあした
 解説者の若月忠信さんが詩を朗読しながら、詩碑建立のエピソードを話した。
 詩碑にはすべて「平仮名」で書かれ、名前は漢字だが脇に「ふり仮名」がふられている。
 これは、この場所が小学生の遠足コースになっていたので、小学生でも読めるようにと
 あえて詩を平仮名にし名前にふり仮名つけた。
 詩に中山晋平山田耕作の二人が曲を付着けている。
若月さんは四季にも色があると。
中国では人生を、春・夏・秋・冬に分けて表現するという。
 ・春は青春と言われ「青」日本で云うところの成人前の時期を示す
 ・夏は朱夏と言われ「赤」社会人として自立している時代
 ・秋は白秋と言われ「白」現役を引き、これまでの苦労が実る時期をいう
 ・冬は玄冬と言われ「黒」人生最後の時期で、他人の手を必要としなければ生きていけなく
                 なる時(この「玄」は黒の意味をもつ)
北原白秋の白秋とは、ここからつけたのだろうか。
誤読が話題になる時代。
砂山の詩をすべて「平仮名」にして小学生にも読めるようにした建立者に先見の明が。

詩碑建立のエピソードを聞く (イラストを模写)