杉玉(すぎたま)とわらぼっち

kanazu362008-12-16

清酒といえば「越後鶴亀」を思い出す。
鶴亀というめでたい名前にあやかり、親戚の結婚祝いに贈った。
旧巻町竹野町(現新潟市)で今年も新酒の完成を得意先や近所
に知らせる「杉玉」が12月8日上原酒造の軒先に吊るされた。
今年は、江戸時代の杉玉も再現したため作られた杉玉は全部で9個。
12月9日杉玉を見に上原酒造を訪れた。
玄関正面の屋根の上に「酒蔵鶴亀」と書かれた大きな看板が掲げられている。
玄関脇には「祝い“越後鶴亀”」と書かれた大きなポスターが貼られている。
・9個の杉玉を作る
 インターネットによれば杉玉とは、
 スギの葉(穂先)を集めてボール状にした造形物で酒林(さかばやし)とも呼ばれる。
 日本酒の造り酒屋などの軒先に緑の杉玉を吊すことで、新酒が出来たことを知らせる
 役割を果たす。
 「搾りを始めました」という意味である。
 吊るされたばかりの杉玉はまだ蒼々としているが、やがて枯れて茶色がかってくる。
 この色の変化がまた人々に、新酒の熟成の具合を物語る。
 上原酒造の軒先に吊るされた杉玉は11個で玄関左側から
 ・元禄3年(1690) ・正徳2年(1712) ・寛政9年(1795)
 ・文化5年(1808) ・嘉永2年(1849) ・嘉永2年(1849)
 ・平成20(2008)
 の7個で、丸型・長方形・フラスコ型などが並び杉玉の下に年号が記された札が
 付けられている。
 8個目は昨年の杉玉なのだろうか杉は葉枯れて茶色。
 9個目は正面玄関左側に飾られひときわ大きな蒼々とした杉玉。
 10個目は正面玄関右側に飾られ枯れた茶色の杉玉。
 11個目は2階の軒下に吊るされている枯れて茶色になった杉玉。
 明治23年創業の「上原酒造」では毎年2・3個の杉玉を作るが、今年は杉玉作り
 40年になる金子彦冶(78)さんの指導を受けて、若手社員も参加し9個を完済させた。
 杉玉にもいろんな型があるのに驚いた。
 11個の杉玉は全部デジカメに撮った。
・わらぼっち
 新潟市赤塚の農協倉庫に“安い!! わらぼっち売ります”の看板を見つけた。
 「わらぼっち」とは初めて聞く言葉で中に入った。
 造園技能士を目指す若い人たちが、稲わらを材料にわらぼっち作りに励んでいた。
 講師の方が、わらぼっちとは、造園木の雪囲いの頭につけるもので飾りの意味と
 雪が積もりにくいという実用を兼ねたもの。
 指導するのは「にいがたアース」の講師の方。
・番外:「寒九の水くみ」募集
 五泉市の冬の風物詩「寒九の水くみ」が、「銘酒菅名岳の販売店でつくる越後泉山会」の
 主催で来年1月13日に開催される。
 寒九の水くみとは、寒の入りから九日目のもっとも水が澄むという日の行事。
 菅名岳(909.2m)の中腹まで歩き、男性は20リットル・女性は10リットルの水を
 担ぎ麓まで運ぶ。
 水を運んだ人には、くんだ水で仕込まれた清酒「寒九の水仕込み生原酒」四合瓶1本が
 2月下旬にプレゼントとされる。
新潟の里を歩き珍しい杉玉とわらぼっちを見た。

あらが杉玉 (イラストを模写)