雪国越後横越の昔話

kanazu362008-12-22

新潟県上越地方の売れている本ベストテンの中に
「懐かしいわが街上越(岡観妙著)」と杉みき子さんの
「小さな町のスケッチ」があった。
越後の昔話といえば新潟県内の村・里を訪ね歩き語り部から
昔詩話を聞き取り「越後の昔話」「越後の民話」などを出版した故水沢謙一(明治43年)さん
がいる。
旧横越村木津の旧家に生まれ、祖母や母から寝物語にたくさんの昔話を聞かされ今までも
忘れずに覚えていた語り部がいる。
語り部は笠原甚威(74)さん。
新潟市横越地区で活動する「横越語り部サークル」の人たちが笠原さんから聞き取った
85話を昔話集「笠原甚威 いちがぶらーとさがった」として平成20年10月に発刊した。
本の挿絵は泉澤宏一さんが描いている。
その本の挿絵原画点が横越公民館で開催されていると知り12月13日見学した。
・「いちがぶらーとさがった」の挿絵原画展
 語り部の笠原甚威さんは、昭和9年生まれの74歳。
 子どものころ祖父母や母親が語ってくれたのを自然に覚えた。
 その数は100話以上にもなる。
 本には175話のうち85話が掲載されている。
 会場に本(非売品)が飾られており自由に閲覧できる。
 本を開くと、
 ・動物に関する昔話 11話 ・人間に関する昔話 25話 ・笑い話その他 49話
 85話の中から1回目は、16点の挿絵が展示されている。
 ・猿とカワウ ・町のネズミと村のネズミ ・ととの離縁状 ・絵姿女房
 などなど。
 「ととの離縁状」が面白かったのであらすじをメモした。
 ふだんは仲のよい夫婦だが、酒を飲むとかかを困らすとと。
 酔った勢いで離縁状を書いた。
 字の書けないとと「一升ます」と「鎌」と「犬」の絵を描いた。
 かかがな「なんと読むのか」と。
 ととは「一生(一升)構(鎌)わん(犬)」と読む。
 翌朝酔いがさめたととは、かかのいないのにきずきかかを迎えに行った。
 かかは離縁状を見せるとととは、犬は時には「ウー」とほえる。
 だからその絵は、「一生(一升)構(鎌)うー(犬)」と読む。
 その後二人は仲良く暮らしたと。
新潟県伝説集成(小山直嗣著・恒文社)
 ふるさと上越市の作家に小山直嗣さんがいる。
 1995年(平成7)に新潟県伝説集成(上越編・中越編・下越編・佐渡編)を発刊した。
 本のはじめに「昔から字を知らなかった人や、文字を十分使いこなせなかった人たちの
 間に、口から耳へと語り継がれてきた伝説は、私たちの先祖の生活や思想を知るうえで、
 非常に大切なものだと思います。・・・」
 ふるさと高田の伝説を知ろうと購入した。
 高田の話の中に、
 ・竜神井戸:子どものころ遊んだ寺町2丁目の善導寺が出てくる
 ・片葉の葦(あし):小学校の遠足で行った五智の国分寺裏手の小さな池が出てくる
 ・応化の橋:小説「山椒太夫」で知られる安寿と対子王の話
 ・豆殻太鼓:浄土真宗の開祖親鸞聖人の霊廟で有名な寺町の浄興寺の太鼓の話
 ・猫又退治:化け猫を退治した話
 などなどが出てくる。
新潟市亀貝の昔話:大曲の赤池
 所属するNPO坂井輪地域学が発刊した「ふるさと坂井輪第2集」に亀貝の昔話
 「大曲の赤池」が掲載されたいる。
 10月14日、坂井輪地域探訪講座で会員などが坂井輪のお宝探しで大曲の赤池を見学、
 地元も古老から「大曲の赤池のいわれ」の昔話を聞いた。
昭和40年代娘とテレビで観た「坊やよい子だねんねしな いまも昔もかわりなく 
母のめぐみの子守唄 遠いむかしの物語」の歌ではしまる「まんが日本昔ばなし」を
思い出す。
冬の夜長、コタツに入り「昔話」や「新潟県伝説集成」などを読むも楽し。

母から昔話を聞く (イラストを模写)