砂漠緑化と無花粉スギ

kanazu362009-02-23

2月21日、NHKアーカイブスで1992年放送の
「砂漠とたたかい続けた男“85歳・緑化にかける情熱”」を
放送していた。
新潟県富山県は、無花粉スギの開発が進んでいると新聞に。
新潟県は挿し木による増殖方法で、富山県は「花粉がないスギ」の種を生産する方法。
富山県の「花粉がないスギ」の種を生産する技術の確立は全国は初めて。
・砂漠とたたかい続けた男:遠山正瑛85歳
 1992年放送の「砂漠とたたかい続けた男“85歳・緑化にかける情熱”」。
 中国の砂漠の緑化にかける農学者遠山正瑛の挑戦記録だった。
 砂漠に葛のタネをまく独特の方法を確立。
 葛は芽を出したが、若葉は放牧された羊に食べられてしまい全滅。
 その経験を生かし葛の種まきをやめホプラの苗木の植林に全力を注いだ。
 1年で15万本を植え5年間で100万本を植え砂漠を緑のオアシスに変ぼうさせる。
 100年かければ中国の砂漠はなくなると。
 番組の最後に語ったと遠山さんの言葉が印象的だ。
 「知恵のある人知恵を出せ・物のある人物を出せ・金のある人金を出せ・命出す人命
 出せ」。
 「やればできる。やらなければ何もできない」。「あせらず・慌てず・あきらめず」。
・無花粉スギ
 無花粉スギの開発が進む。
 ・新潟県
  新潟県は2月18日までに、新潟県森林研究所(村上市)で無花粉スギの開発が進み、
  2017年秋の実用化方針を固め、挿し木による増殖をスタートさせたと発表した。
  新潟県富山県で自生していた無花粉スギ2種類と、県内で「清栄樹」と呼ばれる
  良質はスギを交配、交配を繰り返し「県内の気候や風土に合った無花粉スギ」を
  2006年に誕生させた。
  昨年夏までに100本を育てたが、花粉がないと種が得られないため、挿し木による
  増殖を開始した。
  2017年から毎年、3年生の苗木約1万本を出荷できるよう準備を進めている。
 ・富山県
  富山県は2月18日までに、人工交配による種子から花粉を出さない新たな無花粉スギ
  を生産する技術を全国で初めて確立したと発表した。
  5年後の2014年にまでに約2万本の苗を出荷できると。
  自生していた無花粉スギと清栄樹を交配し、選別を繰り返した上で、無花粉の遺伝子を
  持つ清栄樹の花粉と交配するもので、約5割の確率で、無花粉スギの種ができるように
  なったという。
  これまで無花粉のスギは、挿し木で増やしていたが、種からの栽培は成長も早いうえ、
  より多く生産できるという。
  富山県は3年後の2012年(平成24)に最初の苗5000本を出荷し、5年後の
  2014年には約2万本の苗の生産を目指す。
・番外:佐渡の「悠久の金剛杉」(写真家:天野尚)
 写真家天野尚さんの撮影したし「悠久の金剛杉」の写真が、2008年G8北海道洞爺湖
 サミットの会場に展示されていたのをテレビで観た人も多いだろう。
 悠久の金剛杉は、写真家天野尚さんが10年以上にわたって佐渡を訪れ発見撮影した。
 昨年新潟日報の夕刊「ひと賛歌」の連載で写真家天野尚さんが紹介されていた。
 連載の中に発見のいきさつが書かれている。
 悠久の金剛杉は、「幹周り10mを超える巨大杉。その樹齢は千年以上だが、あまりにも
 古いため正確な樹齢を知る人はいない」。
 「日本3大杉原生林」と呼ぶのは、屋久島・館山そして佐渡だと。
定年後、中国の砂漠を緑のオアシスに変ぼうしようとたたかい続けた男がおり、無花粉スギ
の技術開発に取り組む男たちがいる。
スギは全国で年間約1700万本(新潟県は約30万本)植林されている。
今年もスギ花粉が飛散する季節がやって来た。
環境庁では、2月2日から今シーズンの「花粉飛散情報(愛称:はなこさん)」をインターネット
で提供している。
毎年徐々に無花粉スギへ植え替えていけば、将来は「スギ花粉が飛散」という言葉が
死語に。

これが悠久の金剛杉 (イラストを模写)