里山に春を告げる草花
3月末、新潟県内の各地に季節はずれのなごり雪が降った。
新潟西堀りの曹洞宗宗現寺の山門脇の掲示板に
「植えてみよ 花の咲かない 里は無し」と。
中越地震の被害で全29世帯が全壊し集団移転した集落がある。
旧山古志村の楢木(ならのき)集落の人たち。
地震後の2006年夏、元の谷あいの集落から約130m高い、標高約300mの
山古志南平に集団移転した。
移転先で造成団地「天空の郷(さと)」を明るくしょうと昨年5月、団地の住民みんなで
団地ののり面などに「スイセン」を200株植えた。
そのスイセンが冬を越しつぼみをつけたと新聞に。
まさに「植えてみよ 花の咲かない 里は無し」を実践した。
里山を歩き春を告げる草花を見つけた。
・ミズバショウ(五泉市菅出:3月28日)
「水芭蕉公園」は、五泉市の東南、菅名岳の麓にあり、昔から水芭蕉が自生していた
湿地帯。
面積は2.1ha、木道の長さは480m、水芭蕉の植栽数は約3万株。
毎年3月下旬から4月上旬に開花する。
3月28日の新聞に今が見ごろと出ており大勢の人が見学に訪れていた。
湿地帯の中に総延長480メートルの木道が続く。
湿地帯に生える樹木が水芭蕉の薄緑の葉と白い花を引立てすばらしいコントラストを
醸し出す。
係りの人は、「今年は暖冬で今が最高です」と。
・ツクシ(田上町梅園公園:3月28日)
田上町の梅園公園に続く農道にツクシが顔を出したいる。
・菜の花ロード(国道403号線新津地内:3月28日)
国道403号線を小阿賀野川を渡り新津市車場に入ると道右側は菜の花が咲く。
「フラワーロード」と呼ばれ約10キロにわたり黄色い菜の花の帯がドライバーの目を
楽しませる。
地域の人たちの協力で春は「菜の花」、夏は「ひまわり」、秋は「コスモス」が咲く。
・雪割草小径(村松町愛宕山:3月28日)
愛宕山(103m)の山頂に通ずる遊歩道は雪割草小径だ。
「村松雪割草の会」(会長羽田清五郎)の人たちがニールハウスで育てた雪割草を
毎年少しづつ遊歩道に移植し小径を作る。
小径に移植した雪割草は10万株を超えた。
やがては「愛宕山の雪割草小径」と呼ばれるようにしたいと。
展望台に通ずる遊歩道入り口に「雪割草植栽の地・平成16年1月」と書かれた看板が
ある。
緩やかな登りの遊歩道の左右に赤・白・紫・ピンクなどの可憐な雪割草の花が咲く。
・天神山と松岳山のカタクリ(旧岩室村:3月29日)
3月29日天神山山開きに参加した。
天神山中腹の武者溜まりの広場は、昨夜半の降雪で一面銀世界。
雪の中から薄紫のカタクリの花が顔をのぞかせている。
天神山から松岳山山頂に向かう登山道の左右はカタクリの花が満開。
・キクザキイチゲ(旧岩室村:3月29日)
岩室神社から丸小山公園に通ずる山肌に白いキクザキイチゲの花が咲く。
・ショウジョバカマ(天神山中腹瓢箪池)
天神山中腹に瓢箪池がある。
透き通った池の中にモリアオガエルの卵がたくさん見える。
岸辺の山肌に薄ピンク色のショウジョバカマの花が咲く。
・ヒメオドリコソウ
里の木々の回り一面は、黒紫色の葉の先端に小さなピンク色の花が咲く。
雑草であるヒメオドリコソウの繁殖力に周りの草花はかなわない。
雪国新潟の里や山にも春を告げる花が咲き、やがて若葉の季節が。
桜が咲いている (イラストを模写)