田植えあれこれ

kanazu362009-05-19

5月も半ばを過ぎ近郷の農家の田植えはほとんど終わった。
昔の農家の人は苗を作り田植えをし稲を育て稲を刈りとり収穫
した。
田植え機が普及する前までは、苗は手植えでネコの手も借りたい
ほどの忙しさでで腰を「くの字」に曲げての田植えは重労働で農民泣かせだった。
手植え風景は、今では学校田での児童の苗植えやイベント会場でしか見ることができない。
最近では苗も作らず種(米)を直播き(じかまき)する農家も出てきた。
最近の新聞から田植えの話題あれこれを拾った。
・手植え
 車窓から眺める越後平野のあちこちの田んぼで児童たちの田植えが真っ盛り。
 ・5月7日新潟市南区の茨曽根小学校と新潟市西区の笠木小学校の児童が学校田で
  田植え、笠木小学校の田植えは1981年からの伝統行事
 ・5月8日ローソンの新入社員が新発田市の契約水田で田植えを体験。水田には米粉パン
  の主原料となる「こしいぶき」を植えた
 ・5月10日新潟市西蒲区潟東の大曽根集落の田んぼで地元有志による「田んぼアート
  の田植え、今年は「天地人」と「安全安心 新潟米」の文字を描く
 ・5月11日新潟市秋葉区の「満願寺はさ木並木」近くの田んぼで親子などが田植え
 ・5月13日東京葛飾区の小松中学校の生徒が「越後田舎体験」学習で、十日町市松代
  地区蓬平の田んぼで田植えを体験
 ・5月16日新潟市西蒲区岩室地区の田んぼで「田んぼアート」の田植え、田んぼに大河
  ドラマ天地人に登場する天神山城主大国実頼をモデルにしたキャラクター「みらいくん」
  を描く
 ・5月16日群馬県高崎経済大学の学生が上越市安塚区の細野集落の棚田で田植えを
  体験
 ・5月17日村上市の大毎地区で「大毎集落田植え体験ツアー」が行われ、新潟市
  聖籠町から親子21人が参加し田植えを体験
・田植え機で
 今年も新潟県内のトップを切って田植えが行われたのは柏崎市畔屋で4月20日だった。
 田植えの最盛期は4月末から5月の大型連休にかけてだった。
 あちこちの田んぼで田植え機が動く。
 田植えの終わった田んぼで白サキと青サギが羽を休める。
 何ぼの中からはザリガニも姿を見せる。
・直播き(じかまき)
 直播きとは苗代や苗床を用いず、田畑に直接種をまくこと。
 最近新潟県内でも稲作で、水田に直接種もみをまく「直播(ちょくは)栽培」が増えている。
 育苗の手間がかからず生産コストが低減できるのが特徴で、2008年の作付面積は
 1234ヘクタールと2006年に比べて3割の増加。
 県では、今年の作付け目標を2008年の1.5倍の約1900ヘクタールとした。
 普及に向けて開発された新技術は、水に浮かないよう種もみを覆うコーティング材に、
 鉄粉と焼石こうを鉄コーティング。
 鳥害に強い新技術が作付け拡大を後押ししている。
 新潟県の試算では、苗植えに比べ生産コストが7%削減でき、労働力も約2割短縮できる
 メリットがある反面、収穫が苗植えに比べ最大1割ほど落ちるデメリットある。
 県農産園芸課では、「主食用に比べて価額の安い米粉用や飼料用にも有効ではないか。
 将来的には7000ヘクタール近くまで増やしたい」と。
 2008年のコシヒカリ作付け割合は79.1%だった。
・番外:米粉用稲の作付け
 ・農家が米粉用稲の作付け(新潟市西区木場:笠原與志一)
  新潟市西区木場の専業農家笠原與志一(59)さんの水田約60アールに米粉用のこし
  いぶき稲の作付けをしたと新聞に出ていた。
  新聞の写真を頼りに広い木場地内の田んぼを約時間ほど歩き作付けした田んぼを
  探した。
  やっと見つけた。
  田んぼには米粉用の稲を作付けしたと看板が立てられていた。
  「米粉用稲 品種ひとめぼれ 36a 生産者笠原與志一」
 ・米粉パンの販売(ローソン) 
  コンビニ大手のローソンは、全国販売する米粉パンの主原料を今秋から新潟県下越地方
  産の「こしいぶき」に切り替える。
  ローソンでは昨年7月から国産米粉を使用した米粉パンの販売を開始していた。
  今年はJAを通して、新発田市新潟県聖籠町の農家から約500トンを買い入れ
  胎内市の新潟製粉で米粉にする。
  新米で作る米粉パンは11月から全国8500店の店頭に並ぶ予定。
全国米穀取引・価額形成センターによると、2007年産の年間平均落札価格(60キロ当り)
は新潟コシヒカリ一般1万7564円に対し、早生品種のこしいぶきは1万3700円。
新潟県の生産者は、まだまだコシヒカリへのこだわりが強い。
農家を取り巻く環境も稲作は手植えから機械へそして直播きに変わろうとしている。
生産米も「コシヒカリ」から米粉用の「こしいぶき」に。

この田んぼが米粉用稲の作付け (イラストを模写)