良寛ゆかりの国上寺秘仏展と酒呑童子 神社

kanazu362009-09-30

新潟県内最古の名刹といわれる旧分水町の国上寺がことし
開山1300年を迎えた。
これを記念し、良寛ゆかりの仏像などを30年ぶりに本堂で
秘仏を公開いている。
9月18日秘仏展を観てきた。
国上寺のご開帳に併せ国上寺に伝わる「酒呑童子」絵巻も公開されている。
・国上寺秘仏展(旧分水町国上・9月18日)
 国上寺の沿革によれば、元明天皇和銅2年(709)に越後一の宮弥彦大神の託宣により
 建立された越後最古の古刹。
 開山当初は修験道であったが現在は真言宗豊山派に所属。
 戦国時代には、当山の千手観音を信心された上杉謙信公により祈願所として10万石の
 格式を頂き、七堂伽藍を建立した。
 往時には国上山山中に21か寺・県内外を含め130有余か寺の末寺を有し、常時1000
 人以上の修業僧を置き御祈祷所として隆盛を極めていた。
 現在の堂等は約300年前に建立されもので、4度目の再建。
 秘仏展では、良寛が折に触れて拝んでいた高さ約20センチの「十一面観音菩薩」を
 30年ぶりに開帳。
 徳川家康像も初公開。
 一幅3畳ほどの中に1000の仏像を描いた、上杉謙信寄贈の掛け軸3幅も正面に掲げ
 られている。
 他に、不動明王菅原道真像など10数体が並ぶ。
 客殿には「良寛像」と酒呑童子の絵巻から抜粋した「酒呑童子退治」の大きな絵が
 飾られている。
・「酒呑童子」絵巻と酒呑童子神社
 ・「酒呑童子」絵巻
  酒呑童子は、古くは絵巻・絵詞(えことば)、江戸時代のベストセラー「お伽草子」から
  謡曲・伝説まで、現在では子ども向け絵本などでも知れれている。
  「お伽草子」によると酒呑童子自らの口で、生まれは越後、山寺で修行したと語っている。
  国上寺には、伝土佐光信筆の「酒呑童子」絵巻3巻(上中下)が寺宝として伝えられて
  いる。
  国上寺山田現阿住職著「絵巻酒呑童子・越後から大江山へ」を1994年5月20日に
  出版している。
  絵巻の一部が広げられ「鬼の首が切り落とされ、頼光の兜にかみついた絵」がある。
  本には「源頼光が一刀のもとに鬼の首を落とすと“無念”とひと言口走りながら、空中高く
  舞い上がったその首は、怒りの形相ものすごく頼光の兜めがけてかみつきました。・・・」
  と書かれている。
  記念に1冊購入し読んだ。
 ・酒呑童子神社(旧分水町国上・9月18日)
  「道の駅国上」から約5分で酒呑童子を祀る酒呑童子神社に着く。
  境内に五重の塔が建つ。
  神社の右側に「酒呑童子伝説」の看板が立ち、左側に「縁結之神」の石碑も建つ。
  看板には「酒呑童子はこの分水町砂子塚に生まれ、少年時代に国上寺で外道丸と
  呼ばれ稚児として過ごした。
  生来美男子であったため、近隣近郷の娘達から恋文が山のように届いたが、開くことなく
  修行に励んでいた。
  ある日、返事の来なかったことを悲観した娘が己の命を絶った。
  そのことを知らされた外道丸が、恋文の詰まったつづらを開けると紫色の煙が立ち昇り、
  外道丸を鬼の顔に変え“酒呑童子”となってしまった」と。
・番外:越後くがみ山酒呑童子行列
 第5回越後くがみ山酒呑童子行列は10月18日開催される。
 主催者の燕市分水地区観光協会では、越後くがみ山酒呑童子行列に参加する鬼を募集
 している。
 行列コースは、国上寺から酒呑童子神社を経由し道の駅「国上」までの約2キロ。
 今回から出発時間を午後5時に遅らせた。
 参加者は、夕闇の中手作りの提灯の薄明かりに照らされながら、鬼の面を着けて山を下り
 里を練り歩く。
10月国上の山里は、良寛ゆかりの国上寺秘仏展と越後くがみ山酒呑童子行列で燃える。

国上寺秘仏展を観る (イラストを模写)