かるたの題材宝探しで五十嵐浜海岸を  散策

kanazu362009-12-26

子どものころお正月は、かるた遊びをして楽しんだ。
NPO坂井輪地域学で新潟市西区五十嵐中学校校区の
「ふるさとかるた」を作ることとなり12月3日、読み札の
題材宝探しで校区の五十嵐浜海岸を探索した。
・海底電話ケーブル
 砂浜を歩くと3角形のアクリル板が取り付けられている珍しい電柱を見つけた。
 電柱に「水底電話ケーブルがこの付近に埋めてあります。損傷しますと電話が通じなく
 なりますから注意してください。新潟―佐渡・海底幹(NTT東日本)」と書いてある。
 会社に問い合わせると海底電話ケーブルは、平成15年9月に埋設されたもので、新潟
 の五十嵐浜から佐渡の松ケ崎浜までの約40キロを海底で結んでいる。
・海岸松林ボラの会
 五十嵐浜の砂浜脇の松林の入口に「内野キッズの森・海岸松林ボラの会」の看板が
 あった。
 「海岸松林ボラの会」とは、海岸松林(保安林)の保全のために、松の苗木の植林・堆肥
 作り・枯れ技の伐採などの活動を行っているボランティア団体。
 内野キッズの森とは内野小学校の児童たちが、海岸松林(保安林)の保全のために活動
 している場所で植林された松苗の脇には児童の名前が書かれた札が立てられていた。
・飛砂防止(すだてと柵)
 昔から、新潟の海岸は風が吹けば「砂ふぶき」が起こっていた。
 その度に住民たちは、家や田畑の作物が砂で埋まるという被害に苦しめられてきた。
 江戸時代初代新潟奉行として着任した川村修就が、新潟の海岸に松約3万本を植林し
 飛砂防止に努めた話は有名。
 ・「すだて」工法
  新潟を治めた歴代の藩主は、「砂ふぶき」対策に頭を悩ませていましたが、「牛腸
  (ごちょう)金七」という町民が考え出した「すだて」工法が功を奏した。
  すだて工法は、竹や葦(よし)で編んだ「すだて」を砂浜に立てて砂を止め、砂丘
  人工的に作り出すことにより、風を弱め砂の移動を防止する工法。
 ・飛砂防止柵
  海岸の砂が風によって飛ばされ移動するのを防止する柵。
  柵にはネット・板・鉄板・砂簀(す)などが利用される。
  簀とは、割り竹・葦(あし)などを粗く編んだもの。
・海辺に茂った植物が飛砂を防ぐ
 五十嵐浜では、四角形に囲まれた「すだて」の中にコウボウムギ・コウボウシバ・ハマ
 ヒルガオ・スナビキソウ・ハマエンドウ・ハマニガナ・シロヨモギ・ケカモノハシ・ハマゴウ
 ・ハマナスハマボウシ等などの植物を植え、茂った植物の力で飛砂を防いでいる。
・番外:砂時計
 新潟ふるさと村のみやげコーナーを見て驚いた。
 旧黒埼町が国内有数の砂時計の産地であったとは・・・。
 砂時計を作るワタトラ製作所を12月14日訪ねた。
 社長の渡辺寅三郎(82)さんは、昔はクリスマスツリーの豆電球を作っていたが、知人の
 勧めもあり、その技術を生かし昭和40年ころから砂時計を作り始めた。
 いまでは全国的にも数少なく、新潟県内で唯一の砂時計製作所。
 砂時計作りの工房を案内してくれた。
 長いガラス管を切り、バーナーの火で熱して真ん中だけ細くして、さらに端を熱して片方を
 ふさぎ、次に砂を入れて時間を計る。
 最後にもう片方の口を閉じて完成。
 完成品を見せてくれた。
 ジャンボ砂時計・3本立砂時計・上下エレベータ砂時計などなどで約20種類以上の
 砂時計を製作する。
 これが2008年3月22日(土)の読売新聞で紹介された、自慢の砂時計です。
 「ガラス管が二重になっていて、一方のガラス管の砂が落ちると、他方の砂が上がる
 仕みの砂時計で、外側が白い砂で中央が赤い砂です」と。
 実験して見せてくれた。
 外側の白い砂が1分計で内側の赤い砂が3分計。
 白い砂が下がると赤い砂が上がってくる。
 工房見学の記念にと新聞で紹介された自慢の砂時計をプレゼントされた。
五十嵐浜海岸砂浜を散策すると「海底電話ケーブル」「松林」「すだて」「飛砂防止柵」「植物」
などすばらしい地域の宝が眠っていたことがわかった。
「ふるさとかるた」の読み札にはどれとどれが採用されるだろうか。
砂時計が日本一産地の黒埼町は、五十嵐中学校校区外のため残念ながら番外に。

こんな所に海底電話ケーブルが (イラストを模写)