のぞきからくりと検見橇(そり)

kanazu362010-03-12

新潟市巻郷土資料館から「のぞきからくり八百屋お七押し絵展」
の中ネタ発見後の初公開開催の案内が届き2月8日観てきた。
のぞきからくり(旧巻町:巻郷土資料館)
 現在、国内にその存在が確認されているのぞきからくりは、
 旧巻町の「のぞきからくり幽霊の継子いじめ」を含めて3台のみである。
 ・のぞきからくり八百屋お七押し絵展
  のぞきからくりの演目「八百屋お七」で使われた押し絵が昭和50年の秋に発見され、
  保存のため約20年前に額縁に納められ今回が初めて公開された。
  会場入口には、「八百屋お七」中ネタ目録と口上台本が書かれたパンフレットが
  置かれている。
  会場に入ると全7枚の絵が飾られ、「花のお江戸で名も高き、所は駒込吉祥寺・・・」と
  口上師の軽妙な語りがラジカセから流れてくる。
  物語の絵場面は、色とりどりの布で7枚にまとめられている。
  「駒込吉祥寺の場」「学問所の場」「八百屋の店開きの場」「本郷の大火事の場」
  「奉行所白砂の場」「江戸市中引廻しの場」「鈴ケ森処刑の場」。
 ・「のぞきからくり幽霊の継子いじめ」の口上
  のぞきからくりは旧巻町の古寺家に保管されていたもので、昭和50年秋に「幽霊の継子
  いじめ」一式と「八百屋お七」の中ネタ7枚が発見された。
  翌昭和51年4月に保存状態を確認、同年7月から11月にかけ、「幽霊の継子いじめ」
  一式は地元有志により修復され巻町・東京・大阪などで実演公開された。
  新潟市でも昨年開催の「水と土の芸術祭」で実演公開された。
  のぞきからくりの屋台は、高さ・幅各4mで表面にのぞき穴が24個付いている。
  下段は子ども用に10個、上段は大人用に14個
  2月28日、口上師加藤久美子さんの口上で「幽霊の継子いじめ」が始まった。
  口上師が、「幽霊の継子いじめはじまりはじまり。世にもあわれな物語、所は大阪
  天下茶屋・・・」。
  口上師の口上と操りで7枚の絵が入れ替わる。
  約7分で口上は終わる。
  口上が終わり観客から質問が。
  収入はどれくらいだったのですか。
  校長先生の月給が30円くらいのときに口上師は2日間の口上で50円くらい。
・検見橇(そり)
 巻郷土資料館に珍しい検見の実演写真(明治中期ころ撮影)と新潟市指定文化財
 検見橇(そり)が展示されている。
 検見とは、中世・近世の徴税法の一。
 米の収穫前に、幕府または領主が役人を派遣して稲のできを調べ、その年の年貢高を
 決めること。
 展示の「検見橇」と「検見の実演写真」は、旧中郷屋村庄屋笛木家(当主笛木守之氏)に
 保存されていたもの。
 展示の検見橇は、杉材で作られています。
 踏板は失われ橇の部分も朽ち損じ、全般に傷んでいるので、数年前鉄棒をもって型の
 くずれないように補強しました。
 明治の中頃、旧中郷屋村の庄屋であった笛木守之氏の祖父が実演した写真が保存
 されています。
 竹を立てて該当の田を標示し、橇の通るところは稲を刈り、村役人や庄屋が後から
 説明のため扈従(おとも)しています。
 橇は、前方から綱で引いたり押したりして前へ進みます。
 展示品は、低地帯特有のもので他に類品を聞かず、当地方の民俗資料として重要です。
巻郷土資料館に「のぞきからくり」や「検見橇」など珍しいたくさんの民俗資料が保管されて
いるのには驚いた。

これが珍しい検見橇(そり)か (イラストを模写)