「人力車」と「錠前と鍵」
新潟日報に「にいがた趣味図鑑・熱中探求」が毎週掲載される。
2月15日は「人力車」、3月8日は「蔵戸収集・錠前と鍵」が
紹介されていた。
興味を持ち3月12日両家を訪ねた。
・趣味で人力車を作る(新潟市西区赤塚:皆川稔宅・3月12日)
人力車とは、主に明治から大正・昭和初期に移動手段として用いられた、人を輸送する
ための人力による車。
横に並べた2つの輪を持つ車に乗客を乗せ、車夫(しゃふ)がこれを曳く。
日本で初めて登場したのが1870年(明治3)の東京日本橋。
1896年(明治29)には全国でピークの21万台を数えた。
皆川稔(77)さんは、15年前から趣味で人力車を作る。
仕事場を訪ねた。
仕事場には完成品1台と製作中の2台合わせて3台があった。
「運のいい日に訪ねてきましたね。この完成品は3月14日に姫路城に納入します」と。
これまでに製作した人力車は約20台。
本業は赤塚で漬物業を営む。
家業を若手に任せ15年ほど前から趣味で人力車のミニチュアを作った。
ミニチュアが新潟の海産物加工の老舗「加島屋」さんの目にとまり「本物の人力車を
作ってほしい」と頼まれたのがきっかけ。
図面や装飾品のアイディアやイラストは自分で考え製作した。
第1号は2002年4月に完成、加島屋に納入した。
人力車は今も加島屋の店先に置かれている。
泥除けは「柳都」と呼ばれる新潟をイメージし柳の葉をデザイン。
先日彦根城に納品した人力車は、旧彦根藩井伊家をイメージし人力車は赤で統一し
泥除けは、槍の穂先をイメージしデザインした。
姫路城に納入する人力車は、赤と黒を車体に泥除けは柳の葉をデザインした。
人力車に取り付ける提灯のアイディアの面白さには驚いた。
手提げ提灯は、醤油瓶のペットボトルを2個組み合わ提灯の上と底はインスタントコーヒー
の黒いふたを利用している。
レトロブームで人力車の人気が高まり注文はたくさんあるが、1台作るのに約3か月かかる
ので今は年間3台しか製作しない。
今は、堀と柳と人力車をモチーフにした「人力車物語」を執筆するのが夢だと。
・趣味で蔵戸と錠前と鍵を収集(新潟市西蒲区升潟:樋口重良宅・3月12日)
錠前は固定を行う機構の側であり、鍵はそれを開閉(開錠、施錠)するための道具。
時代劇の必殺仕事人や鬼平犯科帳を観ていると盗賊が金蔵の土蔵の錠前を外すシーン
が出てくる。
蔵戸と錠前と鍵を見に建築業の樋口重良(54)さん宅を訪れた。
居間に案内され部屋を見て驚いた。
居間は壁ではなく木目が美しいケヤキの蔵戸が5枚もはめ込まれており部屋は重厚感が
漂う。
蔵戸に取り付けられている錠前には旧家主の家紋が彫られている。
14年前に自宅を建て替えたとき収集した蔵戸を自宅の壁にと13枚自分で取り付けた。
蔵戸は旧商家などから土蔵の解体のときに譲ってもらったものを活用した。
柱も古材の太いケヤキが使われている。
大工仲間からは「ケヤキ男」といわれているが、「ケヤキは固くて大工泣かせだ」と。
ケヤキに魅せられいつの間にか趣味で蔵戸を収集するようになった。
「錠前と鍵」は蔵戸に取り付けられていたもので知らず知らずのうちに数十個もたまった
と、段ボール箱に入っている錠前と鍵を畳の上に広げて見せてくれた。
中に鍵穴の回りに装飾の家紋が彫り込まれた素晴らしい錠前もある。
古民家ブームで蔵戸を家のインテリアとして使ってみたいという人もいるという。
昔懐かしい「人力車」や「蔵戸」や「錠前と鍵」がレトロブームで今人気に・・・。
ケヤキの蔵戸を壁替わりに (イラストを模写)