内野の酒蔵ものがたり講座で酒蔵を  見学

kanazu362010-04-12

4月4日のNHKテレビで欧米人セーラ・マリ・カミングスさんが、
木桶仕込みの酒を復活させ傾きかけた造り酒屋をみごとに
甦えらせた再構築に取り組む姿を紹介していた。
毎年3月に新潟市西地区公民館主催で「内野の酒蔵ものがたり
講座」が開催される。
募集人員は20人だが、新酒の原酒が飲めることが人気で応募者が多く毎回抽選となる。
3年越しでようやく当選し受講した。
・木桶仕込みの酒を復活させた欧米人女性セーラ・マリ・カミングスさん
 プロフイル
 ・1968年アメリカ・ペンシルベニア州生まれ
 ・1991年から2年間関西外国語大学に留学
 ・1994年株式会社小布施堂・枡一市村酒造場に入社
 ・1996年利酒師認定(欧米人で第1号)翌年から枡一の再構築に取り組む
 「おやじさん、日本の伝統文化が廃れてもいいのですか」ここで半世紀前までやっていた
 木桶(きおけ)仕込みに興味をもった彼女は、その経験をもっている大杜氏の遠山隆吉
 さん(78)に、再開を頼み込んだ。
 漏れや蒸発の少ないステンレスやホーロー製の桶が当たり前になっていた。
 でも、扱いに手間がかかっても味に深みの出る木桶仕込みの方が特色が出ると思えた。
 それで戦前の看板銘柄「白金(はっきん)」などを復活させようとの熱意が、乗り気で
 なかった遠山さんらを動かし、1998年秋から木桶を使い始めた。
 近くにはいなかった木桶作りの職人は新潟県内で探した。
 北信濃地方で栽培されていた酒米「金紋錦(きんもんにしき)」も廃れていたが、
 金沢市の蔵元が契約栽培で入手していることを突き止め、「分けて」と頼んだ。
 できがよいので2000年、特別容器入り「白金」(1万円)を2000本限定で出すと
 完売。
 消費者に直接売れる商品を得て、酒造部門の年商は以前の3倍の2億円になり、赤字を
 脱した。
 やがて自分が日本の小さな町にやってきて、傾きかけた造り酒屋を甦えらせ、様々な
 手法で町全体の活性化に取り組み、さらには不況に苦しむ全国の経営者たちを勇気
 づけることになるとは、その時、少女は思ってもみなかった。
 平成10年12月小布施堂、桝一市村酒造場の取締役就任
 平成11年12月「桶仕込み酒(白金)」を50年ぶりに木桶仕込みを復活
 平成14年1月桶仕込み保存会を発足
・内野の酒蔵ものがたり講座(講師:塩川酒造製造部長塩川和広・3月30日)
 講師の塩川さんは、「製造部長の肩書きがついていますが私は杜氏です」と。
 ・酒造りの工程 ・酒造りのポイント ・山廃仕込 ・蔵元と内野町
  について約1時間30分講義があった。
  終わって場所を移動し塩川酒造の酒蔵見学となった。
  蔵に入ると木桶ではなくホーロー製の桶が何個も並んでいた。
  新酒の仕込みも終わり仕込んだ酒を精密ろ過中の樽を上からのぞきこんだ。
  精密ろ過した搾りたての原酒(生酒)がコップに汲みだされ試飲が始まった。
  「うまい」「すっきりしている」「なんともいえない味だ」などとあちこちから声が
  聞こえる。
  車で来た方は残念ですが、酒に加水する「湧き水」で我慢してくださいと水が出された。
  水も飲んでみた。
  「湧き水」は中硬水だという。
  原酒は初めて飲んだ。
  原酒が腹にしみわたる。
・番外:プロゴルファーの横峯さくら選手を日本酒で応援
 プロゴルファー横峯さくら選手を日本酒で応援しょうと新潟県の後援会が同選手の承諾を
 得て長岡市内で日本酒「清酒さくら」という銘柄で販売している。
旧内野町に最近まで蔵元が4軒あった。
今では不景気の影響で2軒に減ってしまった。
念願の酒蔵見学ができ搾りたての原酒(生酒)も試飲でき楽しい一日だった。

原酒(生酒)を試飲 (イラストを模写)