教科書の移り変わり展と古書販売 目録展
来年の春から小学校で使う教科書が厚くなるという。
新潟で教科書の移り変わり展と古書販売目録と反町茂雄展が
開催されており見てきた。
・教科書の移り変わり展(新潟市中央区:ときめいと・4月17日)
今から60年ほど前、中学校の数学の時間で円周率は「3.14」と習った。
それがゆとり教育の影響で「目的に応じ3を用いて処理できる」とした。
新指導要領では「場合によっては3」が削除され「3.14」に戻った。
学習内容を絞り込んだゆとり教育路線の影響で先進国と比べ日本の学力低下を招いたと
批判された。
文部省は来春から現行の「ゆとり教育」を見直すことを決めた。
新指導要領では、基本となる知識をきちんと教え、学力の底上げを図るという。
その結果、現在の指導要領で行われた2000年度検定より43%も増える。
2003年度検定と比べても国語・算数・理科・社会の4教科平均で28%の増加で
教科書内容が充実する。
その分ページも増え教科書が厚くなるという。
新潟大学の学術資料展示館で「教科書の移り変わり展」が開催されている。
会場には、明治時代の教科書から「ゆとり教育」に伴なって縄文時代の記述がなくなった
平成の小学社会までの教科書約40点が展示されている。
・明治期の教科書
明治30年代の国定教科書「帝国読本」には、新潟市(旧白根市)出身の日本画家竹尾
3兄弟(越堂・竹坡・国観)の描いた挿絵が掲載されている。
・大正期の教科書
・文部省鑑定済み教科書に取上げられた「上杉謙信の漢詩」
・神代から始まる国史教科書
・昭和期の教科書
戦前・戦中・戦後の教科書が並ぶ。
終戦直後の教科書は、一部墨で黒く塗りつぶして使ったと話で聞いていた。
一部墨で黒く塗りつぶされた教科書も展示されていた。
「大東亜戦争」を正当化する記述のある戦時中の教科書が終戦直後に墨で黒く塗り
つぶされている。
音楽の教科書「軍かん」は、墨塗り前と墨塗りさてた教科書が並べて展示されている。
・戦後の教科書
終戦直後に文部省が初めて編さんした歴史教科書「くにのあゆみ下」の“日本のあけ
ぼの”記述は、神話が姿を消し石器時代から始まる。
・平成に教科書
2002年度の「ゆとり教育」の導入で小学社会の教科書から縄文時代が消え、人々の
暮らしの歴史が弥生時代から始まっている。
・古書販売目録と反町茂雄展(新潟市中央区:新潟県立図書館・4月11日)
福田博さんの「古書探索目眼日記」の中で、欲に目がくらみ書名を勘違い高値で古書を
購入した話が出ていた。
欲しかったのが「江戸買物独案内」で買ったのが「江戸町独案内」で「買物」という文字の
抜けていたのを見逃したと。
新潟県立図書館で「古書販売目録と反町茂雄展」が開催されていた。
反町(明治34年8月28日生)さんは長岡出身で、東大卒業後の昭和2年東京神田の
一誠堂の住込み店員から身を起こし昭和7年に「弘文荘」を開業、古書業界の発展に力を
注いだ。
会場には反町さんが編さんした古書のカタログなど約60点が並ぶ。
「弘文荘の三まい主義と顧客」が掲げられている。
・弘文荘の三まい主義とは
一:借金はすまい 二:人は雇うまい 三:安い本・平凡な本は扱うまい
・弘文荘の4大顧客
・中山正善(天理教二代真柱) ・安田善次郎(旧安田財閥の2代目)
・池田亀鑑(東大教授) ・上野清一(朝日新聞社社主)
「安物買いの銭失い」ということわざがある。
4大顧客名を見ていかに反町さんが古書愛好家の人たちの信用を得ていたかを知ら
される。
時代の流れ教科書も「ゆとり教育」から「脱ゆとり教育」へと大きく舵を切った。
あれ!墨塗りの教科書が (イラストを模写)