野の草花が料理の食材に

kanazu362010-05-04

昨3日、新潟県内は高気圧に覆われ各地で25度を超える
夏日となった。
ふるさと上越市高田では26.5度、新潟市でも25.3度。
今日4日はみどりの日
雪解けの遅れていた田舎から春の山菜が届いた。  
4月25日テレビで「緑遊のすすめ〜京の野草を喰(は)む〜料理人・中東久雄」を放送
していた。
・草喰(そうじき)料理
 野の草を口にしながら「うんおいしい」と一言。
 野の草花を昼食に出し料理日本一の昼飯と呼ばれる店が京都・東山にある。
 店の名は「草喰(そうじき)なかひがし」。
 草喰とは「草を喰(は)む」と書き、主人の中東さんが野山の草をかまどで調理する独自の
 世界を確立した。
 毎日、食材を求め、野草が自生する野山や生産農家を早朝から駆けめぐる。
 カンゾウカタクリタンポポの葉・菜の花・白菜の花・大根の花など。
 野を駆け巡り、草と語らいながら、自然をそのまま皿に再現したような料理を作り上げる。
 命のあるものをすべて食べつくす。
 食材は捨てるとこが無いといいながら鯉の鱗(うろこ)を料理し客に出す姿が映し出されて
 いた。
 書道家成澤秀麗さんとのインタビューの中で、
 ・店に訪れた農家のおじいさんに「みんないいものしかもって行かない。料理人は悪い物
  でも料理の仕方を変えて出さなければいけない」の言葉に頭を「ガン」と叩かれたような
  気がした。
 ・子どものころ野での遊ぶのは蛇や蛙だった。蛇が蛙を飲み込んでいる現場に遭遇、
  思わず棒切れで蛇を叩き蛙を吐き出させたが助けることができず結果的に両方とも
  死なせてしまった。
 ・15年前のある日、彦根城の近くに窯を営む陶芸家中川一志郎さんと出会い土鍋で
  炊いたご飯を出された。そのご飯を口にして美味しさに感嘆した。美味しさの秘密は
  土鍋にあった。
  土鍋はおいしいご飯を食べるために中川さんが自作したもの。
 メインディッシュといえば肉や魚介類の料理を想像する人が多い。
 草喰のメインディッシュに出される料理は、この土鍋で炊いたご飯と目刺し。
 インタビューを終えた成澤は、中東さんを表す一文字は自然体で生きる「然」を書いた。
・人が食うもの・神が喰うもの「食べる」思想(村瀬学著・洋泉社刊)
 “人が食うもの・神が喰うもの「食べる」思想”の著書を哲学者中山元さんが解説している。
 人間は食べる生き物である。
 ぼくらは自分の身体に受け入れられないものを食べたと感じたときには、それを口から
 吐き出すことだと語ったのはフロイトである。
 食べるということは人間の生存にかかわる事柄であるために、味覚はもっとも根源的な
 感覚である。 
 ぼくたちが毎日たべているものは、ほとんどすべてかって生きていた生物である。
 幼いころ母の田舎を訪れると、庭で飼っていた鶏をつぶしてごちそうになった記憶がある。
 ペットのように飼われていた鶏が、食事とになって出て来たのだ。・・・と
・田舎から山菜が届く
 5月に入っても気温の低い寒い春の日が続く。
 雪解けが遅れていた妻の里柏崎から宅配便でフキノトウとコゴメが届いた。
 旬のフキノトウは、天ぷらとフキミソに変身し食卓に。
 わが家の庭で今年も木の芽(アケビのつる)の収穫できた。
 酒の肴に今日は旬の木の芽が。
中東さんの料理哲学「草を喰(は)む」と村瀬学さんの「食べる思想」から食を通じ人間の
生き方の原点を教えられた。

田舎から春の香りが届く (イラストを模写)