良寛没後180年記念展と手まりの美展
地方紙新潟日報の一面に毎日良寛さんの詠んだ歌が掲載
される。
今日9日の歌は「猶如(ゆうにょ) 赤子(しゃくし)ノオモヒヲ
タクハヘテ 言語スルハ愛語ナリ」。
子どもらと手まりをついて遊ぶ良寛さんの歌がある。
・子供らと手まりつきつつこの里に あそぶ春日はくれずともよし
・霞立つ長き春日を子供らと 手まりつきつつ今日もくらしつ
・この宮のもりの木したに子どもらと 手まりつきつつくらしぬるかな
などなど。
良寛没後180年記念展と手まりの美展が開催されていたので観てきた。
・良寛没後180年記念展(長岡市:長岡市立美術センター・5月2日)
東京在住の画家中村浩さんから個展開催の案内状が届いた。
2007年10月1日新潟大和デパートで開催された「良寛と会う景・良寛と歩く中村浩・
油彩画展」を観に行き、会場で「良寛に会う景」画集を買い画集にサインをいただいたのが
縁で毎年年賀状が届く。
今回の個展は「越後の風景に良寛を求めて・中村浩油彩画展」。
会場には画歴50年の良寛研究家中村さんの油彩作品131点が飾られている。
故横山操画伯の作品を見て回るうちに「人間としての良寛」に強く惹かれ越後を旅する
うち、冬の越後にこそ、良寛の真髄があると。
野原で子どもたちと遊び、毬をつき書を書いた良寛・・・。
北国街道「信州追分から高田までは山の道・高田から北上する海の道だ」と越後の厳しい
冬をテーマーにして描いた北国街道シリーズ地名の絵が飾られている。
糸魚川夜雨・木浦・鬼伏・牛ガ首・名立・上輪・福浦・大崎・石地・郷本・良寛堂
など日本海の海辺の集落の絵が。
山の絵では、妙高・米山・弥彦・国上山・五合庵などが。
画文集には自画像が描かれプロフイルが載っている。
昭和15年11月21日生れ、千葉県市川市出身・・・
昭和34年高校卒業、初任給で油絵具を購入し油絵を描き始める。
美術団体朔日会同人の洋画家故大塚武氏に師事。
32歳美術団体東光展に入選、以後30余年出品を続ける・・・
・手まりの美展(旧栃尾市:栃尾美術館・5月2日)
栃尾美術館で栃尾の伝統工芸品である手まりを集めた「手まりの美」展が開催されて
いる。
会場には栃尾手まりの会の作品324点と京都や金沢や和歌山など全国各地の手まり
作品289点の合わせて613点が飾られている。
かって養蚕や機織利が盛んだった栃尾では、子や孫のために女性がのこり糸で手なりを
作ってきた。
栃尾手まりの芯に入れる木の実は、けんぽち・じゃの実・はとむぎ・じゃずご・あずき・
のらごの7種。
昔、ゴムまりがなかったころ
・ぜんまいのわたを固くかため、木綿糸でがっちりと巻かれたばあさま手作りのもの
・孫が生まれると孫の幸せを願って絹糸できれいにかがりひな壇にお供えしたもの
の2種類があった。
栃尾手まりの制作過程が書かれている。
土台作り−巻かがり−地割−模様かがり(刺繍)−できあがり
手まりを自由につける手まり遊びコーナーもある。
全国各地の色とりどりの手まりを見ていると時間のたつのも忘れる。
良寛さんと手まりに魅せられ展覧会見学後、良寛さんが晩年を過ごしたゆかりの国上山に
登り五合庵と朝日山公園の「良寛さんと毬」の像を見てきた。
売店「良寛の里」に併設されている良寛ギャラリーには、こしの千涯が描いた、良寛さんが
子どもたちと手まりをつき遊ぶ姿と「かすみたる ながき春日を子どもらと 手まりつきつつ
けふもくらしつ」の歌が書かれた「春日(はるひ)の良寛」の掛軸が飾られていた。
手まりがたくさん飾られている (イラストを模写)