ウナギとクロマグロの完全養殖
11日のテレビで「お中元セールス始まる」を放送していた。
珍しいお中元商品の目玉として数量限定の「近畿大学マグロ
とろセット」(1万500円)が紹介されていた。
5月3日のNHKおはよう日本で水産総合研究センターのウナギ
「夢の完全養殖の成功までの軌跡」を放送したいた。
テレビでウナギとマグロの養殖には蓄養と完全養殖があることを始めて知った。
蓄養とは:海でとった魚をいけすで成長させて出荷する。
完全養殖とは:親が生んだ卵からかえした稚魚を育てる。
・近畿大学水産研究所のクロマグロの完全養殖成功
クロマグロはフィリピンから日本海西部の海域で産卵し、暖流に乗って仔稚魚が
成長し、成長した幼魚の一部は日本近海から北アメリカの西岸近くまで回遊する。
近畿大学大水産研究所は1970年にクロマグロの完全養殖に向け研究に着手。
2002年6月に成功した。
近大のホームページには、
実現に32年もの歳月を要したのは、クロマグロがデリケートな魚であり、生態もよく
知られていなかったためです。
実現の鍵は、クロマグロを徹底して観察したことにありました。
研究の過程で人工ふ化した稚魚が突然死する原因がわかってきます。
そこで、適切な飼育環境を変えるさまざまな対策を講じてきました。
そして成魚に育て上げた個体から産卵があり、完全養殖を実現しました。
これは画期的な成果であり養殖研究における中核をなす技術となったことから、以後の
継続研究が文部科学省の21世紀COE(センター・オブ・エクセレン)プログラムに
採択されました。
今後研究をさらに進めることで、クロマグロをはじめ有用魚の養殖技術の向上を目指し
ます」と。
近畿大学水産研究所は2009年10月23日までに、2009年度の実績として、
完全養殖クロマグロの幼魚(ヨコワ)4万尾以上を生産した。
ヨコワは養殖用種苗として養殖業者に販売できるサイズの幼魚で、過去最大だった
2008年度(約1万尾)の4倍となった。
このうち2万1300尾は国内の養殖業者へ出荷済みで、今後の販売予定を合わせると、
今年度の販売総数は過去最大の約3万2400尾となる見込みと発表した。
・水産総合研究センターのウナギの完全養殖
ウナギはマリアナ海溝付近で産卵し、仔魚は成長しながら長い旅をして日本へ到達する
ころにはシラスウナギとなって河川を遡上する。
ウナギの完全養殖サイクルは、
親ウナギから卵を採捕−人工ふ化−人工のシラスウナギ−成魚−卵を採捕
このシステムを繰り返しウナギを人工的に養殖する。
日本で最初にウナギの稚魚のふ化に成功したのは1973年の北海道大学。
しかし、エサがわからず稚魚は死滅。
水産総合研究センターの田中秀樹さんは20年前からウナギの稚魚のふ化の研究に
取り組んだ。
2002年稚魚をシラスウナギに成功、その後7年の歳月を要しアブラツノサメの卵が
エサとなることを見つけた。
しかし、成魚になる過程で大半がオスに成長しメスはいない。
研究を重ね人の身体の中にある女性ホルモンを利用することで5匹のうち3匹をメスに
することに成功。
そしてメスから採取した25万個の卵を受精させ28時間かけついに稚魚を誕生させた。
現在完全養殖で育ったウナギの年間数は約100匹。
年間消費量の1億匹には遠く及ばず、大量稚魚を誕生させることが今後の過大だという。
・青海デンカのウナギノの養殖(蓄養)
糸魚川には昭和59年(1984)から4年間単身赴任した。
糸魚川市と青海町は電気化学工業(通称デンカ)の企業城下町といわれた。
地元の人たちは親しみを込め「青海(おうみ)デンカ」と呼ぶ。
デンカは、姫川を利用した自家水力発電所を持ち合成ゴムやセメントや化学薬品等を
製造する。
赴任したころは、水力電力から出る豊富な温排水を利用し養殖池に常に流れ込む
「流水式」を採用して「養殖うなぎ事業」を行っていた。
土用の丑の日、養殖の青海産デンカウナギが加工され「蒲焼き」「白焼き」が「デンカ
うなぎ」の名でスーパーの店頭など並ぶ。
・番外:東京築地市場の「マグロ卸売場見学」の再開
東京築地市場の「マグロ卸売場の見学」が外国人の人気観光スポットになっている。
見学は5月10日(月)から再開され、1日最大140名(先着順)が見学できる。
ウナギとクロマグロはともに日本人の大好物。
完全養殖の技術の向上でウナギとクロマグロが安い値段で自由に食べれる日が来るのを
期待する。
あれ!養殖クロマグロがお中元商品に (イラストを模写)