梅雨入りと田んぼダム

kanazu362010-06-21

きょう21日は夏至
1年中で一番昼が長く夜が短い日。
きょうの日の出が午前4時22分で日の入りが午後7時10分。
活発な梅雨前線の影響で、九州南部は20日、激しい雨に
見舞われ、住民が避難したり、九州新幹線などが一時運転を見合わせたりした。
気象庁は21日も警戒が必要だと注意を呼びかけている。
16日東北北部も梅雨入りし日本列島は、梅雨のない北海道を除き全域が長雨の季節に突入した。
梅雨入りで今年も長雨と水害の季節がやってきた。
16日、国土省信濃川下流河川事務所では梅雨の季節を迎え「信濃川の堤防点検」を実施した。
水害対策として一時的に水を貯めて洪水被害を減らす「田んぼダム」の取り組みが話題となっている。
6月11日話題の「田んぼダム」を見てきた。
・日本列島の梅雨入り
 気象庁の発表によれば
 ・5月6日沖縄地方が梅雨入り
 ・6月12日九州南部と北部が梅雨入り
 ・6月13日四国地方と中国地方と近畿地方と東海地方が梅雨入り
 ・6月13日北陸地方が梅雨入り
 ・6月14日関東甲信地方と東北南部は梅雨入り
 ・6月16日東北北部は梅雨入り
 梅雨前線の北上が早く九州南部から東北北部までの梅雨入りは平年だと14日かかるのに対し、今年はわずか5日だった。
 これで日本列島は、梅雨のない北海道を除き全域が梅雨入りした。
 19日、沖縄地方が梅雨明けした。
 昨年に比べ17日、平年に比べ4日早い。
田んぼダムの取り組み(新潟県農林振興部の資料から抜粋)
 ・田んぼダムとは
  大雨のとき、田んぼに洪水を抑制するダムの役割を持たせようという取り組み。
  田んぼは、元々水を貯める機能を持っている。
  この機能を活かして、大雨の時、雨水を一時的に耕作している田んぼに貯め、少しずつ排水することで、下流域の洪水を抑制する。
  田んぼの排水口に板などを設置することで排水量を調整する簡単な仕組み。
  平野や丘陵地の広大な田んぼに広く浅く水を貯めると、多くの量の水を貯めることができる。
 ・新潟県内の田んぼダムの取り組み
  新潟県内では村上市(旧神林村)で平成14年(2002)度に全国で始めて取り組みが始まり年々拡大し、平成21年度は新潟市上越市など9市村約8100haの「水田」で取り組まれている。
  特に排水条件が悪い新潟平野で多い。
  ・田んぼダムの視察(新潟市秋葉区北上・6月11日)
   新潟市秋葉区北上地内の国道402号線脇に田んぼダムがあると知り現地を訪れた。
   田んぼの用水路脇に「新潟発 田んぼダム実施中 田んぼダムは地域を水害から守る取り組みです」と書かれたのぼり旗が立てられており一目でわかった。
   田んぼの水周りに来ていた農家の人に「田んぼダム」のことを聞くと「排水口にこの板(調整板)を差し込んで排水量を調整します」と説明してくれた。
・番外:ダムの構造
 一般的なダムの構造は3種類。
 ・アーチ式コンクリートダム(奥三面ダム:村上市朝日地区)
  上流へアーチ状に張り出した構造のコンクリートダム。
  アーチを利用してし水圧などの外力を両岸で支える。
  重力式コンクリートダムに比べコンクリートの量が少なくて済む。
 ・重力式コンクリートダム(破間川ダム:新潟県・旧北魚沼郡入広瀬村
  堤自身の重力により、水圧等の外力に抵抗する形式のダム。
  構造は、一般的には直線型で、横断面は三角形で構成されており、日本ではこの形式のダムがもっとも多い。
 ・ロックフィルダム阿木川ダム岐阜県
  岩石や、砂利、砂、土質材料を小山のように積み上げる。
  ダム自身は重力式コンクリートダムと比べ大きいが、断層のある地域や軟弱地盤に適している。
新潟県の旧神林村が田んぼダムの取り組みの発祥地だとは知らなかった。
小さな田んぼダムが一時的に水を貯め洪水被害を減らす大きな役割を果たすとは。
まさに「塵も積もれば山となる」だ。

これが田んぼダムの調整板 (イラストを模写)