大地の恵みフェアと徳利コレクション展

kanazu362010-08-05

旧巻町で「大地の恵みフェア夏」と「石塚松太郎徳利
コレクション展」が開催されたので7月24日見てきた。
・大地の恵みフェア夏(新潟市西蒲区:上堰潟公園・7月24日)
 大地の恵に感謝する地場産農産物などの販売が今年も
 上堰潟公園の木花開耶姫周辺の広場で開催された。
 会場には地場産農産物のスイカ・メロン・桃・梨ぶどう等の果物類やみつは・枝豆・じゃがいも・白ナス・たまねぎ・ししとう等の野菜類が並ぶ。
 巻の特産品のからし巻や漬物・ジャムなどの農産加工品も勢ぞろい。
 今人気の米粉使用のパン・クッキーに混じり農家の主婦手作りのおにぎり・笹だんご・おこわも並ぶ。
 アトラクションとして「巻のよさこいチーム」と「中之口の桃華」のよさこい演舞も披露された。
・石塚松太郎徳利コレクション展(新潟市西蒲区:巻郷土資料館・7月24日)
 巻町出身の石塚松太郎が同地区で古道具商を営み長年にわたって収集した徳利約130点の中から約50点が展示されている。
 ・白磁徳利(伊万里) ・ひさご形徳利(京焼) ・竹文徳利(瀬戸)
 ・胡麻釉徳利(備前) ・船徳利(武雄) ・ローソク形徳利(丹波
 ・文人画徳利(九谷焼
 展示50点の中に地元巻町の角田山麓の丘陵地で江戸時代の末期から昭和20年代まで生産していた松郷屋焼の「染付花蝶文徳利」も飾られていた。
・松郷屋焼:(巻町双書第39号“越の山の辺の道”から)
 江戸・天保年間(1830−43)、漆山の百姓二村為八は洪水による飢餓のため、現在の福島県浪江町の相馬焼の窯場に出稼ぎに行きそこで陶法を取得し帰郷後漆山で開業した。
 やがて三根山の殿様の目にとまり、三根山に丸山窯を築き格調高い作品を生んだが、明治の廃藩によって廃窯となった。
 だが、その陶工であった若者たちが松郷屋で窯を開き、日曜雑器を焼きそれが松郷屋焼と呼ばれた。
 最盛期には窯元が18軒を数えたという。
 幕末から明治・大正・昭和にかけて、焼酎徳利・大徳利・御神酒徳利・水差し・かめ・鉢・すり鉢などの日曜雑器を焼いた。
 特に北海道に送り出した焼酎徳利は、最盛期に20万とも30万ともいわれている。
・番外:北国街道の松郷屋集落を訪ねる
 松郷屋焼で知られる北国街道の松郷屋集落(現新潟市西蒲区松郷屋)を訪ねたのは、2009年5月1日のことだった。
 集落の人に松郷屋焼のことを尋ねた。
 「昔村内で、焼酎徳利を焼いていたという話を聞いたことがある。今は窯などもなく窯跡も残っていない。松郷屋焼の作品を見たければこの近くの鷲ノ木の“濱窯(はまがま)”に行けば見れますよ」と。
石塚松太郎徳利コレクション展で「松郷屋焼の徳利」という焼き物に出会い、昨年北国街道の松郷屋集落を訪ね松郷屋焼の話を聞いたときの記憶が甦った。

これが松郷屋焼の徳利 (イラストを模写)