陸で養殖する海の魚

kanazu362010-09-04

サンマを漢字で書くと秋の刀の魚(秋刀魚)。
秋刀魚の美味しい季節になった。
今年のサンマ漁は例年にない不漁の可能性が高まっており
秋の味覚のサンマが高値になると。
8月10日テレビで、北海道で水揚げが始まったサンマが東京都中央区築地市場に初入荷し、都内の百貨店やスーパーなどに並んだ。
初物の水揚げが少なかったため、築地では昨年の約2倍の高値で取引され、三越日本橋本店では1匹1500円で売られた。
スーパーのチラシに「秋の味覚・北海道産生サンマ1尾198円、天候不良により産地変更または入荷のできない場合はご容赦下さい」と書かれている。
陸で養殖する海の魚の話題を新聞から拾った。
・サンマが空前の不漁か
 「秋の味覚」の代表格に早くも高値懸念・・・。
 今年のサンマ漁が例年にない不漁に陥る可能性が高まっている。
 水産庁が8月3日発表した2010年の北西太平洋サンマの推定資源量は、221万トンと昨年の351万トンから4割近く減少した。
 7月8日に北海道東部沖で始まった流し網漁も、漁獲量が昨年に比べ約4分の1と激減。
 新潟県内でも卸値が上がっている。
 農林水産省の統計ではサンマの漁獲量は2008、2009年と年間30万トンを超える豊漁が続き、食卓では手ごろな価格でサンマを楽しむことができた。
 だが、資源量などからみて、今年の漁獲量は大幅減が予想される。
 水産庁は、資源量が減った原因は「不明」としているが、水産関係者からは猛暑など異常気象に関係があるという声も出ている。
 同庁は「サンマの分布も例年より東寄り。サンマ船が操業する海域を避けて南へ回遊する可能性もある」と指摘している。
・地下海水でマグロを陸で養殖
 7月7日東海大海洋学部は、陸上水槽を使ったクロマグロ養殖に、地下20m以下に染み込んだ「地下海水」を利用することで、コストを大幅に抑える技術を開発したと発表した。
 水産学科の秋山信彦教授が2006年度から静岡県内の水産技術研究を手がける民間会社と産学共同で進めてきたもの。
 秋山教授らの研究グループでは、清水キャンパス内に設置した直径5m、深さ1mの特殊水槽4基に体長約20センチのクロマグロの稚魚を放し、毎年8月から約4カ月間地下海水を使って育てる実験に取り組んできた。
 海面のいけすを使った養殖に比べ、病原菌やウイルス、水銀やカドミウムといった重金属などによる汚染を少なくすることが可能で、水温の調整が必要ないためコストの削減にもつながる。
 高知沖で捕獲した稚魚が22カ月間で体長76.5センチ・体重110.01キロに育った。
 秋山教授は「陸上での完全養殖を最終目標として、今後も高付加価値化や安定生産の実現に向け、ノウハウを蓄積していくと。
海洋深層水でエビを陸で養殖
 新聞に「海から遠く離れた妙高市で土建会社がエビを生産」と出ていた。
 東京のプラント会社アイ・エム・ティーが日本初の屋内型エビ生産システムを開発した。
 岡田土建工業は2007年このシステムを導入、海から遠く離れた妙高の地でエビの養殖を始めた。
 水槽に入れる水は、井戸水と海洋深層水を混ぜるて作る。
 タイから輸入した体長5ミリの稚エビは1カ月で3センチに成長し3カ月半で出荷サイズの15センチに育つ。
 養殖したエビは妙高山に積る雪に似た、透明感のある白さをイメージして「妙高ゆきエビ」の商品名で販売する。
水力発電所の温排水を利用しウナギを陸で養殖
 昔から糸魚川市青海町電気化学工業(通称デンカ)の企業城下町といわれた。 
 地元の人たちは親しみを込め「青海(おうみ)デンカ」と呼ぶ。
 デンカは、姫川を利用した自家水力発電所を持ち合成ゴムやセメントや化学薬品等を
製造する。
 昭和48年から姫川の水を引き入れ、自家水力発電所から出る豊富な温排水を利用し養殖池に常に流れ込む「流水式」を採用して「養殖うなぎ事業」を行っている。
 養殖したデンカのうなぎの商品名は「ヒスイうなぎ」。
・番外:完全養殖の仔魚(しぎよ)がシラスウナギに成長
 8月31日独立行政法人水産総合ケンキュウセンターが、世界で初めて「完全養殖」に成功したウナギの仔魚が鹿児島県の志布志栽培漁業センターでシラスウナギに成長したと発表した。
 これでまた「人工ウナギの量産化」が一歩前進した。
日本では海の魚を陸で養殖する研究が進み獲る漁から育てる漁へと。 

海の魚が池に (イラストを模写)