女たちの戦国絵巻
来年の記念すべき50作目のNHK大河ドラマは、
「江(ごう)〜姫たちの戦国〜」。
ドラマは、信長の妹・お市の方の三女にして、徳川二代将軍・
秀忠の正室、三代将軍・家光の生母「江」の生涯を描く。
放送前に田渕久美子原作の「江〜姫たちの戦国〜」を読んだ。
大河ドラマにはこれまでに多くの戦国を生きた女たちがヒロインとして登場している。
記憶を頼りにヒロインの女たちの戦国をインターネットで調べた。
・江〜姫たちの戦国〜:平成23年(2011)・原作脚本田渕久美子
元亀4年(1573)〜寛永3年(1626)。
江は、近江国小谷城主・浅井長政と、織田信長の妹・お市の方の三女として生まれる。
江の生後間もなく、父・長政は信長に滅ぼされる。
のちに母・市は柴田勝家に嫁ぐが、勝家は秀吉に敗れ、市も自刃する。
秀吉にひきとられた三姉妹のうち、一番下の江が最初に結婚、ところが、夫・佐治一成が秀吉の敵対陣営についたために、無理やりに離縁させられる。
次の夫・羽柴秀勝(秀吉の甥)は、結婚後まもなく出陣、朝鮮で病死。
三度目の結婚は、秀吉の最大のライバル徳川家康の子でのちに第二代将軍となる秀忠。
やがて徳川家は、姉・淀の豊臣家と敵対することに・・・。
秀忠とは五女二男に恵まれ、娘・和子は後水尾天皇に嫁ぎ、長男・家光は第三代将軍となる。
主要キャスト:江(上野樹里)
・おんな太閤記:昭和56年(1981)・原作脚本橋田壽賀子
戦国時代を制した豊臣秀吉。
彼をかげながら支えた妻・おね。
極貧からのしあがり、ともに栄華を夢見る二人を軸に、男性のみが主役であった戦国史を女性の視点で描く異色太閤記。
「おかか」は当時の流行語となった。
主要キャスト:おね(佐久間良子)・淀殿(池上季実子)ほか
・春日局:昭和64年から平成元年(1989)・脚本橋田壽賀子
江戸幕府の基盤を築き上げた3代将軍家光。
その乳母にして教育者であった春日局、名をお福(ふく)。
彼女の辿った凄惨な幼年時代はまさに戦国乱世の激動であった。
明智家の外戚の娘として生まれながら不遇の日々を過ごした彼女は家康によって登用され、次第に大奥の絶大な権勢を持つ事になる。
主要キャスト:おふく(大原麗子)・お勝の方(東てる美)ほか。
・利家とまつ:加賀百万石物語:平成14年(2002)・脚本竹山 洋
尾張出身の武将で、織田信長・豊臣秀吉に仕えて加賀藩主前田家の祖となった前田利家 と、賢夫人として知られる正室のまつ(芳春院)を中心に戦国群像を描いたドラマ。
主要キャスト:まつ(松嶋奈々子)ほか。
・功名が辻:平成18年(2006)・原作司馬遼太郎
山内一豊とその妻・千代の出世物語。
天下へ華々しく進む織田軍の中に、「ぼろぼろ伊右衛門」と呼ばれる山内伊右衛門一豊という男がいた。
そんな彼のもとに、千代という美しい女子が嫁いできた。伊右衛門は千代に上手く励まされ、少しずつではあるが立身していく。千代の夢は伊右衛門が一国一城の主となること。
千代は伊右衛門をべた褒めしてやる気を出させたり、ひそかに蓄えた金(十両)で馬を買わせるなどして、夫を盛り立てていく。
主要キャスト:千代(仲間由紀恵)ほか
・天地人:平成21年(2009)・原作火坂雅志
上杉景勝に仕え、謙信亡き後の上杉家を支えた武将・直江兼続の生涯を描く。
お船の方は、弘治3年(1557)生・寛永14年(1637)1月4日死去。
直江景綱の娘として生まれるが男児が無くお船に婿養子を迎えて直江家を継承。
直江信綱と直江兼続の正室。
兼続との間に1男2女(長男:景明・長女:於松・次女:不明)をもうける。
慶長9年(1604)5月、上杉景勝側室四辻氏が景勝唯一の子定勝を生む。
四辻氏が8月に死去したため直江夫妻が定勝の養育を担当した。
元和5年(1619)兼続が死去すると剃髪して貞心尼を号した。
景勝より3000石の化粧料を与えられ直江家の江戸屋敷に住んだ。
元和9年(1623)景勝が死去、定勝が米沢藩主になった後も、お船は化粧料
3000石に加え手明組40人を与えられている。
寛永14年(1637)1月4日死去享年81歳。
墓所は米沢市の徳昌寺、のちに改葬されて林泉寺。
後に定勝は、高野山に使者を派遣しお船のために墓石を立てたという。
主要キャスト:お舟(常盤貴子)ほか
・番外:戦国武将今川氏真の生涯
作家の秋山香乃さんは新潟日報の「晴雨計」の中で桶狭間の戦いで信長に討たれた今川義元の息子の今川氏真のことを書いていた。
庇護先で無能を理由に解任され、戦国の泥沼の戦いに明け暮れる勝手のライバルたちを尻目に存外気ままに暮らしたと。
氏真は齢40を前に戦いの日々から抜け出し、80を目前に往生した。
家康が政権を執ると、江戸に招かれ屋敷を与えられ、二人の男児も今川家と品川家を起し、両家とも徳川家に守られ幕末まで存続した。
NHK大河ドラマは1963年(昭和38)の「花の生涯」でスタート、ことしの「龍馬伝」が49作目。
大河ドラマを振り返ると数々の女たちが戦国絵巻にヒロインとして登場した。
記念すべき50作目の「江〜姫たちの戦国〜」はどのようにドラマで描かれるか。
今から楽しみだ。
人の生き方は (イラストを模写)