貝の化石採取と地層
地方紙新潟日報の「地域へ世界へ・県内大学研究室から」で、
上越教育大学天野和孝教授(56)が、学生たちと上越市西部の
山あいを南北に流れる桑取川の流域で川沿いにむき出しに
なった地層から貝の化石を採取し、日本海の環境変化の歴史
などの解明に取り組む、研究室のことが出ていた。
地層といえば最近新津と巻の2カ所の地層を見てきた。
・桑取川流域での化石採取の思い出
桑取川流域での貝の化石を採取といえば、今から57年前(1953年)の中学2年のとき当時新潟大学高田分校地質学研究室の歌代勤教授と一緒に桑取川の流域で貝の化石採取に出かけた記憶がある。
ハンマーを持って日本海の有間川から桑取川沿いに山越えして中桑取―下正善寺―愛の風を経て高田の街に出た。
途中、川沿いにむき出しになった地層にハンマーで土を削り化石を採取した。
地層からは何種類もの化石を採取した。
採取した化石は菓子箱に入れ夏休みの自由研究として提出した記憶がある。
・断層
・石油が地層からしみ出る金津層(新潟市秋葉区:金津・6月5日)
6月5日、石油の世界館友の会主催の石油産業遺産「新津油田石油の里」巡りをに参加した。
駐車場から山道の遊歩道を少し歩くと地層の見える場所がある。
この地層が金津層で、色の濃い(黒っぽい)層がオイルサンド。
砂岩に石油が含まれている。
石油が地層からしみ出る様子が見られる、とても珍しい場所。
顔を近づけると、ほのかに油のにおいがする。
日本書紀によると、668年に「越の国から燃える土、燃える水が近江大津宮に献上された」とある。
燃える土とはこのオイルサンドで燃える水とは石油のこと。
山中に「金津油田のおいたち」と書かれた看板がある。
はげしい海底火山活動(2500万年−1500万年前)が終わり深い海には石油のもとになるプランクトンの死がいなど有機物を多く含んだ泥が堆積しました。・・・
石油が含まれている地層「金津層」。
新潟市東方の新津丘陵周辺は、かって新津油田として大変栄えたが、その主な貯留層である金津層の砂岩は、背斜軸部で地表にも顔を出し、当時は、一大採石場となっていた。
金津層の砂岩は、供給チャネル充填堆積物で、大きな泥岩偽礫を多く含むレンズ状のタービダイト砂岩や含礫泥岩などが不規則に分布する。
・城山運動公園の露出地層(新潟市西蒲区:城山運動公園・9月11日)
9月11日巻高校の野球練習を見に城山運動公園野球場へ行った。
球場脇の露出斜面に「地質観察をしてみよう」の看板のあるのを見つけた。
露出斜面は1993年ころ運動公園の造成工事で山を削った際にできた。
高さは10数mほどで、地面から7・7mほどの高さに地層のしま模様がくっきりと見える。
西蒲区地域課(公園管理者)と書かれた看板が立てられている。
看板には、
城山運動公園は、この斜面に見られるように、大規模な地層の重なりを観察できる場所として知られている。
ここに露出しているのは、300万から600万年前ころに堆積した地層だといわれている。
一般的に堆積物は下の層ほど古く、上の層になるほど新しいものですが、構成する成分が時代によって違うことから、縞模様が作られる。これが地層です。
城山運動公園の粒の細かい岩石はシルト岩と呼ばれ、当時の激しい火山活動を物語る凝灰岩やカイメンの組織の異物、貝の生痕化石も確認された。
また、地層の帯はひと続きではなく、切れてずれているところがみられる。
これを「断層」と呼び、上下の傾きが違う「不整合」も見られる。
地層見学の皆様へ
城山運動公園は、毎年、小学生から専門家まで多くの人たちが地層の学習や観察に訪れます。自然が作った貴重な教科書です。
・登って土をくずしたり、勝手にかき取ったりしないようにしましょう
・坂を登るのは危険です。登らないでください
・この地層を長く守るために、土は絶対に取らないでください
とも書かれている。
・番外:砂浜に風が作り出した風紋の断層(新潟市小針浜・7月7日)
真夏の小針浜を散策した。
小針浜駐車場脇の砂丘に風が作り出した、珍しく素晴らしい風紋の断層を見つけ写真に撮った。
貝の化石を採取という新聞記事が遠い昔の化石採取の記憶を甦らせた。
こんな所に風紋が作った断層が (イラストを模写)