日本残像展とひきだす展
新潟市で日本残像展とひきだす展が開催されていたので
12月19日観てきた。
・日本残像展(新潟市中央区:新大キャンバスときめいと)
会場には、放送大学附属図書館が所蔵するコレクションの中
から、明治時代に誕生した木版多色刷絵本のちりめん本と、幕末・明治に撮影された古写真が展示されている。
・ちりめん本
ちりめん本とは、
ちりめん本の生みの親は、嘉永6年(1853)に江戸に生まれた長谷川武次郎という人物。
明治2年(1869)には、英語を修得し、また、貿易や出版に関する知識も学んだのですが、さらに、ちりめん本を作る職人達を取りまとめる手腕にも長けていた。
そこで、これらの才能によって、ローマ字の創始者・ヘボンや小泉八雲ことラスカーディオ・ハーンなどと交渉し、海外の子供に読み聞かせるという趣向で、国際出版の運びとなった。
江戸時代の浮世絵制作の職人技は、明治時代に入って、新しい絵本を生み出した。
それは、和紙を使用し、多色摺木版で挿絵を入れ、欧文の文章を活版で印刷し、縮緬布のような手触りの縮緬(ちりめん)加工を施した、「ちりめん本」と呼ばれる欧文和装本で、題材は、日本の神話、民話、昔話などした。
とくに、和紙に縦横斜めにシワを入れて、80〜50%程度縮小する職人技、すなわち縮緬絵制作の浮世絵技法は、その後、日本でも継承されることなく、それ故、今日では「まぼろしのちりめん本」と言われるようになってる。
会場には「桃太郎」「舌切雀」「猿蟹合戦」「花咲爺」「かちかち山」「鼠の嫁入り」「浦島」「因幡の白兎」などの懐かしい昔話のちりめん本が並ぶ。
桃太郎は手にとって自由に見ることができる。
・古写真が語る幕末・明治
幕末・明治期の近代日本形成期の諸相を写真に残された、全国各地の風景・風俗・人物等を中心とした古写真が展示されている。
・東海道小田原 ・六甲ゴルフ倶楽部 ・天秤棒を担いだ物売り ・飛脚
・大八車 ・雲竜水 ・浴衣姿の外国人 ・煙管を吸う女 ・子守 ・農家
・稲こき ・伊勢神宮 ・厳島神社 ・鎌倉大仏 ・日光陽明門 ・浅草五重塔
・上野の大仏 ・知恩院山門 ・金閣寺
などなど。
・ひきだす展(新潟市中央区:新潟市歴史博物館)
新潟市歴史博物館「みなとぴあ」では、歴史資料を展示・公開し、新潟の歴史を紹介する「企画展」を、この冬から新しい試みとして「活動展示」を始めた。
初回となる今年度の「活動展示」のテーマは「ひきだす」。
会場には、
・絵図を読み解く(絵図面が4枚展示されている)
絵図面が4枚展示されている。
・着物を基礎調査する
・絵を飾る(はぎれ)
・船と船大工道具を多目的に考える
タブネ・イナツミブネ・キッツオの3隻の船が展示され、脇に船大工の道具類が展是されている。
・時報塔をさぐる
大正13年(1924)に竣工した時報塔の写真が飾られ、午前6時・正午・午後8時の1日3回音を鳴らし人々に知らせた。
のコーナに分けられ関係資料が展示されている。
日本残像展とひきだす展からは昔の日本の息吹きが聞こえる。
これがまぼろしの「ちりめん本」 (イラストを模写)