地域のシンボルを直撃した平成23年7月新潟・福島豪雨

kanazu362011-08-06

今日8月6日は、66回目の「広島原爆の日」を迎える。
2011年7月26日から7月30日にかけて新潟県福島県
500ミリを超す記録的な大雨が降り大きな被害をもたらした。
集中豪雨は「平成23年7月新潟・福島豪雨」と命名された。
新潟・福島豪雨は、新潟県内の地域のシンボルなどを直撃、大きな被害をもたらした。
・日本の棚田百選の「北五百川の棚田」が無残な姿に
 三条市北五百川地内にある「北五百川の棚田」は、栗ヶ岳の裾野に位置し、1999年農林省が「日本の棚田百選」に選定した。
 約280枚(9.5ヘクタール)の棚田は、30軒ほどの農家が代々受け継ぎ耕作している。
 守門岳をはじめとする遠くの山々と人家が美しく、新潟県景勝100選の八木ヶ鼻をはじめ、高城城址袴腰山、粟ヶ岳とこれらの山々を結ぶブナの道が整備されている。
 新潟・福島豪雨は、北五百川の棚田に大きな爪あとを残した。 
 集落の人たちが400年以上守ってきた北五百川の棚田は、3日間の豪雨で畔が決壊し土手だ崩れ、土砂が用水路を覆い水源が寸断され棚田の原風景が一変した。
・集落のシンボル「中尾の大杉」が倒れる
 中尾の大杉
 ・新潟県指定天然記念物(昭和33年3月) ・樹齢:約千年 ・幹周:10m ・樹高:30m
 十日町市松之山中尾にある樹齢約千年の巨木「中尾の大杉」が8月2日、倒れた。
 新潟・長野県境地震に加え、新潟・福島豪雨により、地盤が緩んだことが原因とみられる。
 大杉は新潟県の天然記念物で、枝の広がる姿が亀の甲羅に似ていることから、亀杉とも呼ばれている。
 地元のシンボルとして親しまれ信仰の対象でもあっただけに、住民は「神様を失っようだ」とショックを受けている。
・雲洞庵の「大方丈の間」に泥水や石が流れ込む
 雲洞庵(曹洞宗
 越後一の寺で約1200有余年の歴史があり、雲洞庵十世、北高全祝禅師は越後の国主上杉謙信、甲斐の国主武田信玄の禅の師として、民百姓の迷惑を思われ両雄に川中島で戦うよう図られたり、謙信公に塩を甲斐に送らせるよう指導。
 師は後に武田家の菩提寺、龍雲寺の開山となり、以来、雲洞庵の赤門、龍雲寺の黒門と言われ栄えた。
 喜平次景勝と与六兼続の二人は、幼少のころここ雲洞庵で学問を学んだ。
 新潟・福島豪雨により7月30日、二人が学問を学んだ「大方丈の間」に泥水や石が流れ込み被害が発生した。
 しかし、大方丈の間の畳や兼続らが学ぶ様子を描いた日本画は、前日の7月29日に移動しておいたため被害は免れた。
雲洞庵には大河ドラメ「天地人」ブームの2009年10月12日に参拝した。
北五百川の棚田は、2011年4月24日に訪れている。
残念ながら中尾の大杉を見る機会がなかった。
北五百川の棚田が修復され、美しい日本の原風景がまた見られることを願う。

棚田が無残な姿に (イラストを模写)