入試とお守りと私塾長善館

kanazu362012-01-13

正月とともにまた今年も受験の季節がやってきた。
受験生にとっては中学受験・高校受験・大学受験と受難の季節。
受験シーズンに合わせ、越後の松下村塾といわれた「私塾
長善館」を1月8日見学した。
受験シーズン、入試やお守りの話題を新聞などから拾った。
・入試
 ・中高一貫入試試験
  1月7日、2012年度の新潟県中高一貫7校の入学試験が行われ小学生702人が、合格を目指し作文・グループ活動・面接に臨んだ。
  7校560人の定員に対し702人が志願し、平均倍率は前年度より0.05ポイント下がり1.25倍となった。
  合格発表は1月15日。
 ・高校入試試験
  ・私立高校入試
   1月11日、2012年度の新潟県内私立高校の入学試験が18校で行われ受験生1万4927人が、合格を目指し国語・数学・英語の筆記試験や面接に挑んだ。
  ・公立高校入試
   ・推薦
    公立高校の推薦入試は2月9日に行われる。
   ・一般
    公立高校の一般入試は3月7日に行われる。
 ・大学入試センター試験
  大学入試センター試験は、1月14・15日の両日、新潟県内14会場を含む全国709会場で実施される。
  今年の志願者は、55万5537人で、前年度より3447人減(−0.6%)。
  新潟県内の志願者は、1万685人で、前年度より187人多い。
・お守り
 ・そろばんの玉を使った合格お守り
  そろばんの玉を語呂合わせにした、「合格お守り」がテレビで紹介されていた。
  そろばんは、上の段の玉は5に固定されており、下の段の玉は一体になって上下に動くので5か9しかでないので“ごかく(合格)”。
 ・受験突破へ「貫通石」のお守り
  1月7日、JR糸魚川駅糸魚川北陸新幹線高峰トンネル貫通地点の石が入った合格祈願の「貫通石お守り」が配られた。
  受験シーズンに合せJR西日本糸魚川地域鉄道部の恒例企画。
  「意志(石)を貫き難関を突破」という願を込めてたもの。
  お守りは「福(2・9)よ来(5)い」の語呂に合わせた295個の限定。
 ・「合格」語呂合わせの五角形の鉛筆
   旧分水町の国上寺では、観音様の縁日(毎月17日)にご祈祷した合格祈願お守り3点(お札・良寛が描かれた絵馬・五角形の鉛筆)セットを販売している。
  絵馬と鉛筆は「ゴーカク(五角・合格)」の語呂合わせから五角になっている。
  絵馬には、近くの五合庵で暮らした良寛が描かれ、鉛筆は六角形から五角形にした5本入りで、表面は赤・白・黄・紫・緑の五色で、国語・数学・英語・理科・社会の5教科の学力向上を願っている。
  3点セットのお守りは約20年前から販売している。
・番外:私塾長善館(ちょうぜんかん)
 雪国越後の粟津村(旧分水町)に越後の松下村塾といわれた「私塾長善館」があった。
 長善館は、江戸時代後期、越後長岡藩粟生津村(現燕市)に存在した私塾である。
 長善とは「善を長じて失を補う」と中国の礼記にある言葉。
 人には得意不得意がある。得意なところを伸ばせば欠点は目立たなくなるという教育。
 長善館は、1833年(天保4年)、鈴木文臺によって粟生津村に創設された私塾である。
 綃軒、柿園、彦嶽の三館主四人の先生が、1912年(明治45年)の閉鎖に至るまで約80年間、子弟を教育してきた。塾生は1000人を超えると推定されている。
 1889年(明治22年)、県内160余りの私塾の中で「北越の文化を振興したものとして、明治政府から賞された。
 長善館に鈴木文臺の勉学に対する心構えの言葉が飾られている。
 ・優れた本を写す これが優れた本に対する姿勢である
 ・優れた本はそれだけで自分にとって師である 本に対しても子弟の態度を守るべきだ
 ・書き写すことは そのまま書かれた文章を 自分の血とし 肉とすることだ
 ・もう一度外に出すときは 今度は自分のものになっている
と。
多くの受験生は、目指した学校に合格するとそこで一安心して気が緩む。
合格は人生の出発点であり到達点ではない。
受験勉強で頑張った根性を、合格後も続けるならば、その後の人生の大きな財産となる。
合格後も大きな夢をもって羽ばたけ・・・。
長善館の色紙に「勉強は書き写すことから始まります」の言葉が書かれている。
中学校の恩師が卒業時に贈ってくれた「本を読め」「文章を書け」の言葉を思い出した。
恩師の言葉「本を読め」「文章を書け」 (イラストを模写)