土木遺産と建造物の登録有形文化財

kanazu362012-12-23

新発田市真野原の「加治川運河水門と土砂吐水門」が土木遺産
に認定され、そして燕市水道町の「旧浄水場配水塔」を国登録
有形文化財に答申したと新聞に。
12月21日「加治川運河水門と土砂吐水門」と「旧浄水場配水
塔」を見てきた。
土木学会選奨土木遺産とは
 土木学会選奨土木遺産は、社団法人土木学会が、日本国内の歴史的建造物のうち土木構造物について、これの保存に資することを目的として構造物群を「土木遺産」に認定して顕彰する制度、及びこれにより顕彰された土木構造物群のこと。
 2000年に認定が始まっている。
 基本的には日本国内の土木構造物が対象だが、2009年以降、日本統治時代に建設された台湾の土木構造物についても認定が行われている。
 平成12年度からはじめ、毎年全国で30件程度選定している。
新潟県内の土木遺産
 新発田市真野原の新潟県の加治川運河水門と土砂吐水門は、新潟県としては5カ所目の土木遺産である。
 ・加治川運河水門と土砂吐水門(新発田市真野原・12月21日)
  竣工年:大正3年(1914年)
  選奨年:2012年(平成24年度)
  選奨理由
  大正初期に治水対策として建設された分水路の水門で、当時の技術による美しい石造りと加治川の治水史を今に伝える貴重な土木遺産である。
  説明掲示板には「加治川の水をなるべく短距離で日本海に落とすための分水路工事が明治41年に始まり、大正2年に完成しました。(現在は分水路が本川になっています)・・・」と書かれている。
  運河水門の大きさ
  ・門の大きさ 高さ:10尺5寸(3.18m) 幅:12尺(3.6m)
  ・門扉(1枚)の大きさ 高さ:13尺3寸(4.0m) 幅:6尺5寸(1.96m)
 ・萬代橋新潟市
  竣工年:昭和4年
  選奨年:2002年(平成14年度)
  選奨理由
  日本人技術者による初の空気潜函工法を用いて築かれ、充腹アーチ橋として国内最大の支間長を誇り、マグニチュード七・五の新潟地震に耐えた橋梁。
 ・中山隧道(旧山古志村
  竣工年:昭和8年〜昭和24年
  選奨年:2006年(平成18年度)
  選奨理由
  日本一長い手掘り隧道で、現在も残るツルハシの痕跡など先人達の偉大なエネルギーと苦闘の歴史を伝えてくれる貴重な土木遺産
 ・親不知旧道(糸魚川市
  竣工年:明治15年〜明治16年
  選奨年:2007年(平成19年度)
  選奨理由
  先人たちが急峻な地形と複雑な地質に挑み、北陸地方の産業、経済の発展に貢献したことを後世へ伝える貴重な土木遺産である。
 ・大源太川第1号砂防堰堤南魚沼郡湯沢町
  竣工年:昭和14年(1939年)
  選奨年:2011年(平成23年度)
  選奨理由
  直轄砂防事業として日本で最初期に完成したアーチ式砂防堰堤で堰堤表面の石積みとアーチ構造が織り成す景観は、深緑の渓谷に美しい姿を保っている。
燕市の旧浄水場配水塔を建造物登録有形文化財に答申
 国の文化審議会は12月14日燕市水道町の「旧浄水場配水塔(水道の塔)」を建造物登録有形文化財とするよう文部科学大臣に答申した
 これで県内の登録有形文化財の建物は377件となる。
 燕市の文化センター駐車場脇に長年市民に愛されてきた「水道の塔」が建っている。
 1983年に建てられた高さ約30mの旧配水塔も1969年に役目を終えた。 
 2011年10月から、初めて大規模改修が行われ今年3月14日に改修工事が終了した。
 改修工事の終了を記念し、4月14日旧配水塔のお色直しを祝った記念式典が開催された。
 配水塔は1938年(昭和13)着工 ・1941年(昭和16)竣工
 水槽容積205立方メートル ・高さ30.2メートル。
新潟県土木遺産認定は5カ所あるが、これまでに4カ所を見学した。
まだ、南魚沼郡湯沢町の大源太川第1号砂防堰堤を見てないので来年は是非見てみたい。
加治川運河水門を見る (イラストを模写)