耕作放棄地を活用して特産品作り
全国的に中山間地の耕作放棄地が増えている。
新潟県内の各地から耕作放棄地対策として耕作放棄地を
積極的に活用して特産品作りに取り組む話題が届く。
・耕作放棄地とは
人手不足などを理由に、農地であるにもかかわらず耕作されておらず、今後もその見込みのない土地。
日照不足や規模が小さいなど、土地の条件が悪い山間部を中心に拡大傾向にある
平成23年3月の農林水産庁統計によれば、耕作放棄地はこの20年間で増加しており、耕作放棄地面積は、昭和60年までは、およそ13万haで横ばいだったが、平成2年以降増加に転じ、平成22年には39万6000haとなっている。
また、農地面積が減少する中、耕作放棄地面積は、平成2年から平成22年にかけて約倍に増加している。
・ダッタンソバの栽培
ダッタンソバは8月に種をまきし、10月中旬から下旬に収穫する。
そば粉は黄色っぽく、わずかに苦味があるのが特徴で、抗酸化作用や動脈効果・高血圧予防効果があるとされるルチンが普通のソバの約100倍含まれている。
新発田市ではダッタンソバの特産化に2013年度から本格的に取り組むため、これまで試験栽培していた作付面積を2013年度は4倍近くに拡大させる。
同市は2月12日、ダッタンそば粉を使った料理の試食会を開いた。
ダッタンソバの生産拡大を目指す市は、ブランド化や消費拡大も必要とみて市内のそば店や菓子店、カフェなど7業者にメニューの試作を依頼した。
そばは、ダッタンそば粉10割と、「二八そば」のそば粉半分をダッタンそば粉にした2種類。
さらにクレープ、クッキー、ジェラートなどの洋菓子やまんじゅうなどの和菓子などの試作も行う。
・新潟砂丘さつまいも“いもジェンヌ”の栽培
新潟市西区の砂丘畑作地域では、耕作放棄地の発生防止に向けて、関係機関(JA新潟みらい、西区、西区農業委員会、普及指導センター)で構成するプロジェクトチームにおいて新規導入品目の検討や実証をしてきました。
その結果、砂丘地でおいしいさつまいもが生産できるとわかり、有望品目として生産を拡大し、6次産業化による地域の活性化を目指して、さつまいものブランド化プロジェクトを立ち上げ取り組んでいる。
新潟砂丘さつまいも“いもジェンヌ”の品種は「べにはるか」で、上品な甘さとねっとりとした食感が特徴のさつまいも。
“いもジェンヌ”の名前は、サツマイモが大好きな女性、おしゃれだが親しみが持てる庶民的なお嬢様をイメージして命名された。
学生がデザインしたもので、サツマイモの形と砂丘地の風紋などをイメージしている。
いもジェンヌはすべて西区産のさつまいもで、平成23年度の生産量は約10トン、そのうち500キロほどがペーストに加工され、ケーキーやマドレーヌ、まんじゅうなどのお菓子に利用されている。
・長岡「西部丘陵産サトイモ」の栽培
長岡市関原地区の西部丘陵はかって、葉タバコの産地として知られていた。
最盛期の約30年前には約70ヘクタールに作付けさてたが、高齢化やたばこ市場の縮小に伴なっってやめる農家が増加し2年前から1軒となった。
2012年3月、12の農家や法人が「西部丘陵園芸生産組合」を設立し、サトイモを新たな基幹作物に選び、2012年には3ヘクタールに作付けした。
同組合では、葉タバコの産地からサトイモの産地への脱皮を目指す。
・中山間地でどぶろく製造を生かし日本農業賞大賞
上越市牧区の中川卓夫(71)さんは、「特区指定」を利用してどぶろく製造とそれに合わせて民宿経営も行う。
中川卓夫さん、冨美子さん(65)夫妻が「意欲的な農業経営を行い、地域社会の発展にも寄与している農業経営者や団体を表彰する「日本農業賞」(JA全中、NHKなど主催)の個別経営部門で、最高賞にあたる大賞を受賞した。
中川さんは高齢化と過疎化で担い手不足に悩む中山間地において法人で約15ヘクタール、家族で約8ヘクタールの稲作を行っている。
農薬や化学肥料を低減した米を栽培する上、いわゆる棚田の景観を維持しながら中山間地農業に取り組む。
中川さんは2005年6月にどぶろく製造許可を取得し「どぶろく卓」を製造する。
「どぶろく卓」は、2010年の「TOKYOどぶろくフェスタ2010」と「どぶろく研究大会」で最優秀賞に輝いた。
・地区の活性化を目指し山で川エビを養殖
雪深い中山間地の上越市の山あいの標高400mを超える旧牧村棚広地区では、豊富な湧き水を利用し、5年ほど前から池でスジエビと呼ばれる川エビの養殖に取り組んでいる。
また、高地で採れる特産の大根に「雪太郎」という愛称を付けてブランド化したり、“ダイコンギョーザ”などユニークな商品開発に取り組み地区の活性化に貢献している。
県内の各地から耕作放棄地を活用して特産品作りの話題が届く。
次はどんな特産品が食卓に登場するか。
次はどんな特産品が (イラストを模写)