ナツメと果実ソースと養豚に賭ける    3農家

kanazu362007-10-26

近郷の風景は、黄金色の稲田から赤紫の畑に変わる。
畑を赤紫に染めているのは、食用菊のカキノモト。
あちこちの農家でカキノモトの収穫が始まった。
ナツメと果実ソースと養豚に賭ける白根の3農家を訪れた。
・ナツメ
 日本ではなじみの薄い果実「ナツメ」を栽培する人がいると聞き、10月18日
 旧白根市西笠巻新田の渡辺建次(58)の畑を訪れた。
 栽培を始めたのが3年前。
 中国から苗木を取り寄せ1町2反のブドウ畑に苗木を植えた。
 2年目から収穫できたが、本格的な収穫は今年が初めてである。
 背丈は約2m、たわわに実った褐色に色づいたナツメは手を伸ばすと収穫できる。
 実の堅さはリンゴに似ている。
 糖度は30%もあり、中国では漢方薬の原料に用いられる。
 ピンポン玉くらいの大きさのナツメを試食した。
 甘かった。
 来年は、隣のブドウ畑もナツメ畑に変えると。
・果実ソース
 旧白根市庄瀬で農家の主婦が毎週木曜日集まり、オリジナル果実ソースを作る
 サークル団体があると聞き10月18日(木)訪れた。
 サークル団体の名前は「しなの川工房ままや(代表高橋文子・50歳)」。
 会員は約10人。
 毎週木曜日の午前と午後集まり、地域で収穫する、花梨・イチジク・梅・ブドウ(巨峰)・
 トマト・ブルーベリーの果実を使いオリジナル果実ソースを作る。
 「昨年10月に保健所の営業許可を取得しました」と、壁に掲げられている営業許可証
 を指差した。
 壁には、果実ソースの作り方のマニュアルが貼られている。
 果実ソースの作り方は、果実をゆでてこしグラニュー糖とレモン汁を加える。
 「果実をゆですぎるとジャムになりますよ」と。
・養豚
 旧白根市西笠巻の笠巻養豚団地でオリジナル飼料を作り養豚している人がいると聞き
 10月22日訪れた。
 笠巻養豚団地入り口左側に「畜魂」と書かれた供養等が建ち、裏には「昭和56年
 10月笠巻養豚団地」と。
 オリジナル飼料を作るのは(有)キープクリーンの社長小嶋洋朗(49歳)。
 笠巻養豚団地の養豚業者は現在6社です。
 団地全体で現在約4000頭の豚が飼われています。
 私の会社は、現在約1500頭から1600頭位です。
 養豚経営のコストの半分以上はエサ代。
 これまでは、せんべいくずやパンの耳は焼却処分されていた。
 焼却処分されるせんべいくずやパンの耳は穀物、これを飼料に活用すれば
 コストダウンになるのではと。
 オリジナル飼料は、せんべいくずとパンの耳とビタミン等を混ぜて作る。
 焼却処分されるせんべいくずやパンの耳を活用することで、エサ代は配合飼料の
 半分から3分の1程度に抑えられコストダウンにつながった。
 今はこのエサで育てた夢のような味がする肉を「夢味豚(むみとん)」と名付け
 売り出し中でブランド化したい。
 倉庫に案内し「これがせんべいくずでこれがビタミンです。
 今日もパンの耳を3トン集めてきました」とトラックを見せてくれた。
ナツメを新潟県の特産品に育てたいとナツメに夢を賭ける農家、サークル活動で
自慢の果実ソースの生産に意気込む農家の主婦、夢のような味がする夢味豚の
ブランド化に夢を賭ける養豚家。
3農家の話には苦労と夢が・・・

ナツメに夢ゆめユメ (イラストを模写)