中越沖地震の置き土産「縄文古木」の その後

kanazu362008-08-06

8月5日の新聞に“糸魚川沖に40本の木漂流”の記事が。
4日午後一時ころ、糸魚川市筒石漁港の北約2から13キロの
日本海に木が約40本漂流しているのを、パトロール中の
第9管区海上保安本部の航空機が発見した。
上越海上保安署の調べでは、木は長さが5から10m・直径20から30センチ。
大雨で河川から海に流れ出たものと見られると。
昨年7月16日の中越沖地震出雲崎沖の海底に眠っていた縄文古木が大量に地上に
姿を現し話題を呼んだ。
出雲崎漁協では約290トンを回収した。
処分に困った出雲崎町出雲崎漁協組合では縄文古木を希望者に無償で配布した。
わが家は3回応募し15個の縄文古木を受け取った。
無償配布された縄文古木のその後を追った。
・縄文古木を庭石として飾る
 2007年10月18日、わが家の狭い庭に縄文古木15個が庭石代わりに庭の中央に
 置かれ風情を醸し出していた。
 海底から陸に場所を変えた古木は、環境の変化か一冬の風雪で少し削られ細くなった。
 風化した古木から塩分が溶け出し草木を枯らすのではないかと妻から苦情が。
 塩害には勝てず、心を癒し庭の風情を醸し出していた縄文古木を処分することにした。
 未練が残る。
 一部を箱に入れ箱庭風にして残すことにした。
 2個の箱に土をいれ小さな縄文古木10個と小竹と黒四葉クローバーなどを植え
 オリジナルの箱庭を作った。
 残念ながら箱に入りきれない5個の縄文古木はデジカメに撮り処分した。
 これから何年、わが家の庭で風雪に耐え庭を彩ることか。
・縄文古木の起源は妙高山か   
 出雲崎沖の海底約75mから100mで大量に見つかった縄文時代の古木は、妙高山
 (2454m)の噴火を起源とする可能性が極めて高いと新大中田誠准教授らの研究で
 分かった。
 古木に付着していた火山灰と、妙高山の火山灰の成分が一致した。
 妙高山では5000年前と7000年ほど前に噴火による大火砕流が発生している。
 「妙高山の大火砕流やその後の土石流などによって、森林が崩壊して堆積。その堆積物
 が、度重なる自然現象で巻き込まれた関川流域の樹木や堆積物とともに日本海に押し流
 されていった可能性が高い」と指摘。
 今後は、関川の下流域を調べ、裏付けを進めたいと。
・縄文古木の置物  
 出雲崎の港近くに住む八木茂さんは、縄文古木を鉢に入れ置物として飾る。
 古木の形をうまく利用した鉢はまるで盆栽のようだ。
 最初2〜3個作ったが、近所の人から大好評で今ではなんと100鉢以上もある。
 様々な形をした古木は、見る人の想像力をかきたてる魅力を持っている。
・縄文古木の笛     
 柏崎の住職栗林文英さんらの柏崎コカリナクラブが、7月13日(日)柏崎市産業文化会館
 で「縄文古木の笛とオカリナの演奏会」を行った。
・縄文古木を記念品として無料配布
 出雲崎町では、縄文古木を町おこしの“飛び道具”として活用するため、町商工会や
 町観光協会と協力し、袋入りの古木作り町内の宿泊施設や飲食店などに無料で提供し
 顧客に記念品として無料配布ている。
中越沖地震の置き土産「縄文古木」。
海底から目覚めた縄文古木は、庭石・置物・笛・記念品などに姿を変え現代の世界に甦る。 

庭の縄文古木を眺める (イラストを模写)