ミズダコ漁と棒ザメとマリモ

kanazu362009-01-31

冬には珍しい快晴が続く。
青空に誘われ1月29日、今が盛りのミズダコ漁を見に
新川漁港を訪れた。
・ミズダコ
 ・ミズダコ漁
  港にタコ獲り箱が積まれている。
  箱の大きさは58センチ×27センチ×27センチで上が開いており両脇に
  ロープが結びつけられている。
  この箱を海に沈めておくとタコが中に入るのだという。
  29日午前7時13隻の船が漁場に向かった。
  漁場には30分から40分で到着する。
  漁場に着くとあらかじめ海に沈めておいたタコ箱を引き揚げる。
  一回の漁で約250個の箱を引き上げ中に入っているミズダコを取り出し空箱を
  また海に沈める。
 ・帰港
  午前9時半を過ぎると漁の終わった船が港の戻って来た。
  「成宝丸」「長運丸」「清勝丸」「金海丸」「清山丸」などなど。
  浜では仲間が待ちかまえる。
  「どうだった」「坊主だ」「2匹、1匹はカブリ」「4匹」と漁師が答える。
  カブリとは漁仲間同士の隠語で箱の外側にへばり着いていたタコのこと。
  タコはオスよりメスの方が味がよく高く売れる。
・ミズダコの釜ゆで
 新潟の国道402号線の五十嵐街道には4カ所のミズダコの釜ゆで場がある。
 漁を終わり長運丸から下りた新潟市五十嵐二の町の小林一貴(31)さんの釜を訪ねた。
 小林さんは福岡の博多で奥さんは東京の出身。
 漁師になりたくてから2年前山梨からに新潟に来たという。
 夫婦とも漁師は初めての経験だと。
 珍しいミズダコを見せてもらった。
 足が半分ない。
 共食いで仲間のタコに足を食べられたのだという。
 獲ったタコを水洗いし、頭と足に切り分けてビニール紐で結ぶ。
 切ったタコは沸騰した大釜の中へ。
 蓋を閉め沸騰した湯の中でミズダコを15分前後ゆでる。
 蓋を取ると真っ白な湯気の中から赤紫色に染まったタコが姿を見せる。
 ゆであがったミズダコは軒先に吊るす。
 客は路上でタコのゆであがるのを待つ。
 吊るされたミズダコは、あっという間に売り切れるほどの人気。
 小林さんから、これは漁師以外は食べられない珍味ですと、ゆで上がったばかりのタコの
 エラ・イ・トンビを出した。
 タコのエラを初めて試食した。
 新川漁協の話では、ミズダコ漁は12月から3月までで最盛期は1月から2月。
・棒ザメ
 ふるさと高田では、正月料理で棒ザメの煮付けを食べる。
 子どものころ、12月になると魚屋に棒ザメが並び、冬の訪れを知らせたが、
 最近では棒ザメを見る機会も少なくなった。
 わが家では、棒ザメを5センチくらいに切って醤油で煮付けていた。
 翌朝、皿の中の棒ザメの煮付けが寒さで「煮こごり」になっていた。
 1月23日村上市の岩船港鮮魚センターに棒ザメが尾頭付きで売っているのを見つけた。
 背と腹の皮がはがれムキサメ姿で赤い身を見せ頭と尾が付いている。
 懐かしさに一匹買った。
 広い新潟県上越地方以外ではあまり棒ザメは食べないという。
 さっそく家内が料理した。
 新潟市内も1月26日の気温が0度まで下がった。
 懐かしい棒ザメの煮こごりが我が家でもできた。
・番外:青森小川原湖でマリモを発見
 1月28日の新聞に、青森県東部の小川原湖で昨年秋から多数のマリモが発見され、
 水族館にも登場して話題になっている。
 気象条件が偶然重なった結果とみられているが、海水と淡水が混じり合う「汽水湖」で
 国内の生息例は珍しい専門家はいう。
 見つかったマリモは最大でも直径約3センチで、30センチ程度のものもある北海道
 阿寒湖のマリモに比べて小型。
 青森市浅虫水族館では「マリモを目当てに来館する人もいた。小さいけれど神秘的で、
 人気者になりそう」と期待している。
新潟の冬の風物詩、国道402号線五十嵐街道に釜ゆでにしたミズタコが屋外の鉄棒に
吊るされている。
ミズダコ吊るしはこれからが本番。

ゆであがったミズダコを吊るす (イラストを模写)